第4話 みんなと冒険



アルス様の家にお世話になってから5年が経った。

私は10歳になり幼女体型からスラッとした女の子っぽい体型になった。

胸もスラッとしているが…


もちろん、アルス様とミラさんとの修行は今でも欠かさず続けている。


まだ、敵わないけどね。


「ペルちゃんが強くなるのと同時に俺らも強くなってるからね」


アルス様はそう言っているが、私の相手をしても練習にはならないような気が…



魔族戦争はまだ続いている。

ドルグさんの話だと、お父様達の方が今のところ優勢らしい。



「そうだ。ペルちゃん。私達明日ドラゴンを討伐しに行かないとなんだけど…ペルちゃんはお留守番する?それとも私達と行く?」


ミラさんは心配そうな顔をして、聞いてきた。


「もちろん!一緒に行きます!」

私は即答した。


「ふふっ、ペルちゃんならそういうと思っていたわ。でも危ないから、戦闘が始まったら隠れてるのよ」


「そうと決まれば、今日はゆっくり休んで明日に備えよう」


明日の為に、今日は早く寝る事にした。


――――――翌日――――――



私達は私の故郷とは真逆の森にいた。


ここから3日程歩いた所に、ドラゴンの巣があるらしい。


道中モンスターに襲われるが、アルス様達が難なく倒していく。


私の出番は本当に何も無い。


1日目の野宿する場所に着いた。


焚き火をし、ミラさん、サラさんと一緒に夜ご飯を作った。

その間にアルス様とドルグさんがテントを張り、辺りにモンスターがいないか散策してくれている。



外で初めて食べたご飯は美味しかった。

ドルグさんとサラさんはあまりアルス様の家でご飯食べないので、みんなで食べることも滅多にない。

とても楽しいひと時を過ごした。



――辺りは真っ暗だ。


私はミラさんと同じテントで寝る。

もう一つのテントにはアルス様とドルグさんがいる。


サラさんは皆が寝てる間、見張り役をしている。

数時間したらドルグさんと交代するらしい。




(真っ暗。怖い)


私は暗い森が怖かった。

敵魔族に襲われた事を思い出すからだ。


怖いけど、隣にはミラさんがいる。

大丈夫だ。


私は自分に言い聞かせ、目を瞑った。


――――2日目――――



やってしまった………。


はい。おねしょしました。


ごめんなさい。


みんな笑って許してくれたが、恥ずかしい。


近くに流れてた川で身体と服を洗った。


着替えて合流した時にはもう出発の準備が出来ていた。


私達はドラゴンの巣を目指し、出発した。


「それにしても、何で急にドラゴンが出現したのでひょう?ドラゴンはもっと山の方に巣を作っていたはずです」


サラさんが疑問に思っていた事を口にした。


「俺もそれは疑問に思っていたが、もしかしたら魔族戦争に関係があるのかもしれないな」


アルス様がその疑問に答えていた。


――――ブルッ――――


突然尿意に襲われた。


失敗した手前、告げるのが恥ずかしい。


私はモジモジしたまま歩いていた。


「ペルちゃん、おしっこですか?」


サラさんが私の耳元で問いかけてきた。


私は頷いた。


「みなさん、ちょっとここら辺で休憩しましょう」

サラさんが提案した。


「ええ、そうね。私達はともかく、ペルちゃんのペースも考えてあげないとね」

ミラさんが察したのか、提案に賛同した。


ちょうど道のはずれに座れそうな岩があり、そこで休憩する事にした。


「さ、ペルちゃん。休憩のうちにお花摘みにいきましょ」


サラさんは私の手を引き、奥の方に歩いて行った。


(私、お花摘むよりおしっこしたい…。)


そう思いながらもサラさんに着いて行った。


結構遠くまで来た。

5分程歩いた所に、ちょうど良さそうな場所があった。


「ここでおしっこしましょ」


そう言うとサラさんはパンツを脱ぎ、しゃがんだ。


(あぁ、お花摘みってそういうことか)


私はやっと言葉の意味を理解した。


私はサラさんの隣にしゃがみ、おしっこした。


無事終わり、立ち上がると2つの水溜りができていた。


私達は合流するため、元の道に戻った。


すると、アルス様達の所に近づく途中、木陰に隠れている怪しい二人組が見えた。


「どうやら、私達を付けているみたいですわね」


サラさんは怪しい二人組を見ながらそう言った。


「とりあえず、気付いていない振りをしましょう」


そう言ってアルス様達の所に戻って行った。


―――――――――――――


―――――――――


―――――


2日目の夜。

また焚き火をして野宿だ。


みんなで夜ごはんを食べている時、


「みんな、気付いてる?誰かに見られてるわよ」

ミラさんが小声で言った。


「あぁ、昨日はいなかったな。今日になって我等を監視してる輩がきた」


ドルグさんもどうやら気付いていたようだ。


「やっぱり、ドラゴン退治なんて可笑しいと思ったんだ」


アルス様もやはり気付いていた。


「お花摘みの帰りに姿を確認してきたわ。あれは王都の冒険者よ」


あれ?もしかして気付いていなかったのは私だけ?


「どうする?捕らえるか?」


「いや、今はそのままにしておこう。連中が何かをするのは、おそらくドラゴンの巣と情報のある所だろう。なら、それより1km手前で一度休憩し、その時に捕らえればいい」


「いいわね。それでいきましょう」


アルス様の提案にミラさんが賛同した。


ドルグさんとサラさんも頷いていた。



――――一夜明け、3日目だ。

流石に2回も失敗はしなかったよ!!

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