第49章 DNA
レオの発言に驚いたはずの表情を隠しながら、博士は、腕組みをしたまま、ゆっくりとレオの方へと近づいた。
「どういうことか、説明してみなさい。なぜ奴の名を知っている?」
レオは、また言ってはいけないことを言ったのだと気が付いたようで、今度は自分の手でその口を押えていた。
レオの前に立つ博士の険しい横顔を見ながら、ハンナは焦った。何とか博士を納得させなければ、また自分たちが閉じ込められてしまうかもしれない、とにかく何でもいいから説明をしなければと、ハンナはしどろもどろになりながら、とにかく自分たちが敵ではないことを伝えようと必死になった。
「あの、ゲ、ゲーム……っていうのは、私がレオにそう教えたんです。だから、レオは何が起こっているかよくわかっていないと思うので……。
信じてもらえないかもしれませんが、このレオは姿を変えると、空を飛べるようになります。それをレオはゲームだと思っています。私たち、気が付いたらグリーングラスにいて……その、姿を変えたレオに乗って、飛んで逃げて……。川を越えようとしたんです。だけど、この近くで地面に落ちて……」
「このレオという者が、姿を変え……そして、飛ぶ?」
怪訝な表情で、博士はハンナを睨んでいる。博士は一度口を開こうとしたのだが、顎の下に片ほうの手をあて考え込むような様子を見せた。レオは何か言いたげな表情で、視線をハンナに送りながら口に手を当てたままの姿勢でじっとしている。しばらくの沈黙の後、博士の後ろにいたスカイが言葉を発した。
「そんな話、信じられるか! 奴らのシステムに操られた
博士は、何かに思いを巡らすように天井を見上げている。
「いや、このレオという者の記憶だが……、たびたび喪失しているのだ。それも確認したいことのひとつだった。何かの記憶障害の
ハンナは《
「ねぇ、レオ、あの、布巻いた人とお話したの?」
「ごめんなさい、ハンナ。でもね、本当にね、あのタンタムおじさんは、本当は皆と仲良くしたいんだよ」
「噓をつくな! そんなことあるはずない。俺たちが、これまでどんな目にあったか。俺たちが開発した技術をそっくり盗みやがった奴らだぞ……」
スカイの剣幕に圧倒され、悲しそうな顔をしていたレオはとうとうハンナの背に隠れてしまった。
「スカイの言う通り、彼らの技術は、その殆どが我々の技術を盗み発展させたものだ。互いによりよい生活をするためなら、どちらの技術であっても問題はない。問題は、彼らがその技術を、自分たちの利益のためだけに利用しようとしていることだ」
博士は、スカイの肩に手を乗せスカイをなだめると前に歩み出た。博士の後ろに立ったスカイは横を向いて腕を組み、ハンナたちを睨みつけている。
「それならば、その姿を変えたレオを見せてはくれまいか。そうすれば、信じよう」
「でも、あの、博士……何故だか分からないけど、この家の中では上手くいかなくて。だから、きっとここだと無理だと思います。指輪も使えないし……。だから、外に出て試して……」
「は? うまい嘘を考えたもんだな。いったん外に出たら絶対に逃げる気ですよ、博士」
スカイは、またハンナたちの方に向き直って、苛つく様子を見せる。
「指輪が使えないとは、どういうことだ?」
博士はハンナの手を見つめた。その指輪で他の精霊たちと交信できることや、グリーングラスにつかまってからは、その白い光が飛ばなくなったことをハンナが伝えると、スカイが「あ」、と声をあげた。
「昨日見た、あの白い光の事か?」
ハンナは小さく頷いた。スカイの険しい表情が、少し緩む。
「外でなら使えるかもしれないって言うのが本当なら、なんで飛んで逃げている時に、その他の精霊とやらに助けを求めなかった?」
「レオが姿を変えている時は、私はレオとだけ交信できるんです」
それからスカイは、矢継ぎ早に様々な質問をした。その間、博士はそれを無言で聞き、空中で手を動かしながら何かを操作しているように見えた。
ハンナは、全てを分かってもらうには相当な時間がかかりそうだと思いながらも、正直に答えていった。たとえ信じてもらえなくても、他には方法が無いように思えたからだった。何よりも、グリーングラスを敵だと思っている様子のふたりなのだ。ハンナは、出来るだけ不用意なことは言わないように注意を払いながら、スカイの質問に答えていた。
スカイはハンナに対して、何故グリーングラスにつかまったのか。グリーングラスで何をしていたのかと、グリーングラスで起こったことだけは、繰り返し何度も何度も聞いてきた。おそらく、博士がハンナを調べ、それ以外の事柄については記録を確認しているからだろう。
けれどハンナはグリーングラスにつかまっていた間のほとんどの記憶が無く、答えることが出来なかった。しばらく質問が続いた後、博士がようやく話に割って入ってきた。
「君がレオのその紅い石に触れることでレオが姿を変えるという話が本当であるならば、レオの記憶が消える寸前にはいつも君がレオに近づいていることとも辻褄は合う……。しかも、その後の君の記憶はほとんど全て空の上だ……」
博士は驚いたように、空中で動かしていた手を止めていた。ハンナが博士の手元を覗き込むと、そこには無数の映像と、見たことのない記号や文字が並んでいた。
グリーングラスの黒い物体の中で見た映像に似てる……。
ハンナに背中から映像を覗き込まれても、博士はその手を止めずにハンナに話しかけてきた。
「そのレオは、前回だけは塔の中で突然自ら姿を変えたという事か?」
「はい……こんな事、初めてで。それに……」
「それに?」
「いつもの姿ではなくて、もっと巨大な姿で……まるで、突然子供が大人になったようで」
「それが、だ、過去映像にはそんなもの映ってはおらんのだ。君は、自分自身の力で宙に浮いているんだよ、ハンナ」
「そんなはずは……」
博士が手元を操作すると、壁一面に映像が広がった。その映像には、ハンナが足元を見つめている映像が映っていた。羽の生えたブーツの周りをくるりと見回している様子だ。ブーツについた白い羽がはためいて、空を飛んでいるように見える。その足元には、巨大な龍の頭ではなく、銀の建物や塔や山の景色だけが映っていた。
「私が見ていたものと違う……」
博士は、怪訝な顔をして視線をレオへと移した。
「レオ君、君は、本当に何も覚えていないのかね? いつもと違うことは無かったのか? 君の脳内記録は、姿を変えた後は何せ真っ白なのだ。君の最期の映像は、グリーングラスの研究棟らしき部屋で、あの包帯男とふたりで見つめ合う映像だった。それは一瞬なのだが、はっきりと君の脳内記録に残っている。何をしていたかは分からんが、ふたりとも言葉は発してはおらんかった。彼は、君に何をしていたのだ?」
レオはハンナの後ろでじっとしていて、もう何も言わないぞとばかりに、その口を一文字に結んでいる。
「レオ、大丈夫だよ。きちんとお話したら皆のところに戻れるから。そうですよね?」
ハンナの問いに、博士は頷いた。
「君たちが我々の敵でないことが分かればそれでいい。いや、そんなことは昨夜の検査で薄々は分かっておった。しかし、その特異な容姿が引っかかる。それは、グリーングラスの者が持つ耳だ。わしは、お前たちがあの山の中にいた理由を知りたかっただけだ。この場所に我々以外のものが存在していること自体が奇妙過ぎる。
もしも、自由自在に望む空間に姿を現せる高次元技術をグリーングラスが既に開発していたのだとしたら脅威でしかないからな。君たちを調べた時、かなり複雑なDNAを有していることは早い段階でわかっておった。じゃが、どうしても理解できん。DNA上は、君たちはグリーングラスに繋がる者のはずだ。その容姿からして、他国で受け入れられることの方が難しいはずだが……君らがどうやって生きて来たかは、申し訳ないがすでに脳内過去映像で大方は把握しておる。レオよ、君は、……いったい、あの包帯男と何をしていた?」
「博士の言っていること、僕分からない。DNAってなに? ノウナイカコエイゾウって何?」
レオがようやく声を出した。『きちんとお話したら、皆のところへ戻れる』というハンナの言葉がレオを安心させたのもかもしれなかった。それでもレオの声は、小さく弱い。
ハンナはレオと同じことを考えていた。脳内過去映像は、グリーングラスでも勝手に覗かれていたのだろう。何かを調べられていたことも分かっていたが、それがDNAというものなのだろうか、そんなものを調べて何になるのかとハンナは思った。
博士はソファーに戻ると再びどすんと身を投げるように腰をかけた。
「ああ、DNAというのはな、君の中にある暗号のようなものじゃ。君の身体は、全てその暗号からできている。君がどこから来て、誰と繋がり、これからどうなるかを我々に教えてくれる」
「僕がどこから来て……?」
「そうじゃ」
「僕は、大きいレオのお家から来たんだよ。僕ね、そっちじゃなくて、ハンナのママのお家に帰りたいの」
「いや、そういう意味ではないのじゃが、まぁ、いい。早く答えなさい。あの包帯男は、君に何をした?」
レオは、首をかしげている。ハンナには、博士の説明はよく理解できなかったのだが、自分の中にこれからどうなるかがわかるものがあるということに軽いショックを受けていた。
「未来は……決まっているんですか?」
その言葉に、博士はハンナの方に向き直った。
「身体的特徴、という意味でならばな。どういう顔になっていくか、身長はどれくらいになるか、いつ大きな病気になるか、なら、大概は把握できる。いくら顔かたちを変えようとも、DNAを見れば、元の姿を確認することは簡単じゃ。がしかし、環境因子によって多少の違いは発生はする。命を全うする時期も皆決まっておる。不慮の事故だけは予測不能じゃがな。未来を確実に見ることを可能にするには、高次元技術が必要じゃ。
グリーングラスはDNAをコントロールすることで国民を操る種族だ。コントロールできない異種や異形の者は、あの国では存在できないと言われている。まぁ、国民をコントロールするための迷信だろうがな」
「異種の者……」
かつてパトラから聞いた話をハンナは思い返していた。
「タンタムおじさんはね。僕にね、『ハンナを助けて』って」
「私の名前を?」
「うん……」
博士もスカイも、レオの顔をじっと見つめている。
「どういうことだ?」
「分からないです……でも、確かに、名前を呼ばれたような気も……」
「それとね……」
レオが再び口を開いたので、皆が次の言葉を待った。
「『この国は消える運命だから、二度と来るな』って。ねぇ、運命って何?」
レオが問いかけたが、誰もそれに答えなかった。険しい顔をして空中の映像を見つめていた博士は、突然、その手を止めた。
「スカイよ、ここを離れる時が来た。グリーングラスの
スカイはそれを聞くと、慌ただしく部屋を出ていった。急に様子が変わったふたりの様子は、ハンナとレオを不安にさせた。
「どうしたの?」
ハンナがそう尋ねた時、博士は突然に姿を消した。
「え?」
「君たちが本当に変化して飛べるというならば、ここから今すぐ逃げることだ。さもなければ、あの塔へ連れ戻されるだろう。悪いが我々は他の種族を助けるつもりはない。というよりも、我々にはそんな余裕はない。残念だが、おしゃべりしている時間は無い。すまんな。身体を
足元から声が聞こえたと思い、ハンナは下を向いた。小さな黒い虫のようなものが、ドアに向かい真っ直ぐに進んで行く。レオは苦手な虫をかなり克服したとはいえ、突然のことに飛び上がり、部屋の隅で小さくなった。
「準備できたよ」
廊下の向こうからスカイが息を切らせて走り込んできて、壁に張り付いているレオをちらりと見てから、ハンナに言った。
「君らを百パーセント信じたわけじゃないけどね。僕たちは帰らなきゃいけないから、君たちのことまでかまってられない。君の話が本当なら、飛ぶところを見せてよ。ところで、博士は?」
「あの、急にいなくなって。ドアが開いて……」
「全く、せっかちだな。てか、気が小さいんだよ。僕の知る限り、国一番のビビりだよ。だからこそ、身を守るための技術の開発だけは完璧さ。俺たち種族が生き延びてきたのは、そのおかげだけどね。さあ、君たちも早く出て」
スカイに追い立てられるように、レオとハンナが透明なドアをくぐると、外はぐるりと木で囲まれていた。風も無く、音もしない。建物の周りをぐるりと取り囲んでいる木の枝は、全く揺れていない。博士はどこにもいなかった。スカイは家の外に出ると、小さな箱を開けそれを操作した。すると目の前にあったはずの建物は消え、背の高い木々も姿を消した。それとほぼ同時に、スカイの姿も見えなくなった。
「早く、見せてよ」
少し離れたところから声がすると思い、ハンナは辺りを見回した。レオは身動き一つしない。よぼど地を這う虫のような物体が怖かったのだろう。
「ねぇ、みんなどこに行ったの?」
ハンナが怯えるレオの肩をしっかり抱えながら一歩進もうとした時、周りの映像がたわんだ。揺れている映像は、水の輪のように少しずつ黒く渦を巻き、あっという間に消えていく。何もない灰色の世界が広がって消えた後、足元には背の低い芝生が広がった。周りには背の高い大きな岩があり、ハンナたちはその岩で囲まれた円形の輪の中心にいた。そうして、それまで全く見えていなかった灰色の雲に覆われた空が、突然その青い姿を現し、風が吹き始めた。
「ここじゃ」
声はやはり足元から聞こえていた。ハンナから少し離れたところに、ふたつの黒い固まりがあった。さっき見た虫が二匹に増えている。レオはそれを見て声をあげて怖がるかと思いきや、その黒い固まりをただじっと見つめていた。
「博士とスカイ、すごく小さな子供になった。ハンナ、ほら、草の間の白い石の上、見える?」
レオが指さす方向は、間違いなく、虫のように見える黒い固まりのある場所だった。恐る恐るハンナはその虫を確認しようと近寄った。
「くしゃみとかやめてくれよ。飛んじゃうからさ」
スカイの声がしていた。黒い固まりの片方が、動いているのが分かる。それは博士とスカイのふたりで、動いているように見えるのはスカイが手を振っているからだった。レオが言ったように百分の一ほどにサイズダウンしている。フラワーバレーでよく見たテントウムシくらいの大きさだ。
「すごく小さい子供になったね」
レオがしゃがんで問いかけた。
「子供じゃないって言っただろ! 他の国では、俺たちの国のことを《小人の森》って呼んでるらしいけどな。俺たちから言わせれば、お前たちのほうが《巨人国》なんだよ!」
「小人の森……スノーマウンテンの麓の? いったいどうやって……」
「ああ、君たちはそう呼んでいるようだね。あの山みたいに見えているのはただの山じゃない。《銀龍の家》だ」
「スカイよ、おしゃべりはそこまでだ。時間がない。我々は国へ戻らねばならん。お前たちが姿を変えるのを見届けたら、すぐにな。これに乗れば、半日もあれば到着できる」
スカイより少しだけ大きく見える博士が、小さな枯葉のように見える物体の上に座っていた。ハンナは、息を吹きかけないように注意しながら、ふたりへ声をかけた。
「レオが姿を変えることが出来たら、あなたたちを小人の森へ連れて行きます。レオに乗れば、きっと五分もかかりません。案内だけしてもらえますか?」
それを聞いた博士とスカイは、顔を見合わせていた。巨人を連れて行ったらどうなることかと議論しているようだ。
「その前に……」
ハンナは、指輪に祈りを込めた。
《ルーク、聞こえる? 今、グリーングラスとの国境の川にいます。多分、ここはその中の小さな島です。私とレオは無事です。今から小人の森へ向かいます。ノースランドのみんなは、無事ですか?》
そのハンナの祈りと共に、青白い光が天高く昇った。
良かった。指輪が力を無くしたんじゃなかった……。
博士とスカイは空を大きく見上げている。自らが極小になっている為、その光線の太さは何倍も大きく目に映っているはずだった。
「私の掌へ、早く」
ハンナは掌を上にして、博士とスカイに乗るように言った。博士は木の葉のようなのりものを小さくたたんでポケットに入れている。ふたりが掌に乗ったことを確認してから、ハンナがレオのバングルの赤い石に触れようとした時、レオの声がハンナの頭に響いた。
『僕、ひとりで変われるよ。ハンナが今何をしたいか、伝わって来るんだ』
辺り一帯が輝く光に包まれると、銀の龍が姿を現した。さらに一層、その姿は大きくなっているようだ。ハンナの掌の上にいた博士とスカイは、その様子をハンナの指の間から見つめていたのだが、その光のあまりの強さに目を覆っているようだった。
ハンナは、龍の頭上に向かって走ると、大きく飛び上がった。ルークの真似をしてみたかったのだ。一歩、二歩、三歩で、高く飛び上がったつもりだったが。そのジャンプは小さく低かった。とても大きな龍の頭が入れそうにない。失敗したとハンナが思っていると、小さなジャンプをした足の下に龍の白い髭が伸びてきて、ハンナの足を支えた。雲の上を歩くように、ハンナはその髭の上を滑り、ふわりと龍の頭上に立った。
龍が舞い上がると、眼下には大きな川の真ん中に浮かぶ小さな島が見えた。自分たちは、一体どのあたりにいたのかと、ハンナは下を見下ろした。島の端の崖から少し下ったところには、円形に弧を描く岩の柱に囲われた場所があり、その中央には芝生が見えている。ハンナは不思議な気持ちでそれをもう一度確認しようと振り返った。
いったいどうなってるの?
振り返った時、一瞬龍は回転し、その視線の先には、緑色の光が細い線になって何本も地上を照らしているのが見えた。はるか彼方にグリーングラスの銀色の塔が見えているが、もう白い煙は見えなかった。
「おい! どこへ行くつもりだ。そっちはグリーングラスだ! 逆だろ! スノーマウンテンの方へ向かえ!」
掌から聞こえてくるその声にハンナは慌てて反対側を向いた。龍はあっという間に川を越え、スノーマウンテンの方角へと飛んでいく。
「お前、やっぱり自力で飛んでいるな。あの子はどこへ行った?」
掌から聞こえてくるスカイの声に、ハンナは驚いて下を向き掌の上を見た。
「どこって、今、ここにいるの、見えないの?」
ハンナは柔らかく前から吹く風の中で聞いた。博士とスカイは焦ったような声でハンナに話しかけてくる。
「それはどこの言語だ? 我々の翻訳機が解析できん。今、何と言った?」
「だから、レオはここにいるわ。ねぇ、どこに行けばいいの?」
「駄目だ、さっぱり何を言っているのかわからん……。まるで風が唸る音のようだ。もう少し多くの言葉を集積せねば……」
博士の落胆する声がハンナの耳に聞こえてくる。あっという間にスノーマウンテンまで近づくと、博士とスカイが慌てて声を出した。
「もう少し左だ。それにしても驚くほど速い。我々が吹き飛ばないのは、いったいどういう技術なんだ?」
「ねぇ、どっちに行けばいいの?」
ハンナがもう一度声をあげたその時、目の前にペガサスに乗ったルークが現れた。
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