第26話 超級魔法!!これで…終わり?
シャルバは炎の拳を振う。
――――待っていたよ!この時を!
僕は全身で拳を受け止め、シャルバの腕を掴む。
【神の
―――ピシャャャャャャンンンンンン―――
僕達を中心に半径1kmに落雷。
一瞬ではなく、雷がずっと落ち続けている。
「ぐっ…ぐぉぉぉぉぉぉぉ…………」
最初は耐えていたシャルバだが、だんだん耐えきれず声が出る。
僕の有り余る魔力をふんだんに使ったこの一撃。
かなり効いた事だろう。
「たしかに、僕は努力するどころか手加減することばかり考えていた。あなたの言う通りだ。でも…そんな僕でも1つだけ…【努力】した事はあったんだ。魔法だけは…一度も手を抜いていない!!」
僕はそう言いながら、更に雷の威力を高める。
僕オリジナルの魔法。
まず間違いなく超級レベルか、下手したらそれより上のレベルだ。
修行場でも放つ事は出来なかった魔法だが、ここならカリンの結界があり、周りの被害を気にする必要はない、
思う存分…魔法を使うことが出来る!
「ぐぉぉぉぉぉぉぉ………っ…あああっ!!」
シャルバは雷をくらいながら、僕に蹴りを入れてきた。
僕は思わず掴んでいた腕を放す。
「はぁ…はぁ…やるな」
息切れしながらも、まだ立っている。
やはり…これだけでは倒せないか。
「今言ったろ…魔法が使えるのはおまえだけじゃない」
《紅蓮弾》
シャルバが《炎弾》の上位互換の魔法を出してきた。
巨大な炎の弾。
【
僕は水の弾を紅蓮弾に向けて放った。
―――――バ〜〜ン―――――
水弾と紅蓮弾は相殺された。
次はこちらから魔法を――――
あれ?シャルバがいない。
「こっちだ」
僕の右側からシャルバの声がした。
右を向くと、すでにシャルバが拳を握り、僕の方に振りかぶっていた。
「なっ…」
どうやら巨大な炎の弾は囮で、隠れて移動していたようだ。
僕は咄嗟にガードする。
―――――ドゴッ――――――
「かはっ………」
僕は口から血を吐きながら吹っ飛んだ。
「魔法だけは努力した。……だからどうした。そんなもの…俺だってやってる。お前が少し努力したくらいで…差が縮まるわけないだろう」
「くっ…」
僕は足を震わせながら立ち上がった。
「ふん。もう限界が近いな…」
シャルバはそう言って、身体全体を纏う規模の炎を右手に集中させた。
さっきの技か…
あんなもの。もう一度くらったら間違いなく負ける。
次は耐えられる自信がない。
《七剣星・爆炎》
僕の周りに7本の炎の剣が出る。
ヘルディに使った氷結は触れたものを凍らせる効果だった。
今回のは…触れた所で爆発する。
7本のうち4本をシャルバに向かって飛ばす。
まずは何としても、さっきの技を防ぐ!
「チィッ……」
《紅蓮月光拳鳳》
シャルバは炎の鳥を放った。
――――ド〜〜〜ンッ!!!!!!!――――
相殺された先で、また炎の柱が立つ。
炎の剣の爆発は炎の柱にのまれている。
僕は残り3本を炎の柱の後ろに向かって放った。
シャルバが移動している可能性もあるが、気にせず放った。
爆発音が聞こえる。
僕は再び剣を抜き、構えた。
《闘気魔法・氷》
僕は剣に冷気を纏わせる。
シャルバの炎対策になるかは分からないが…やらないよりはマシだろう。
《紅蓮突》
予想通りシャルバは移動していた。
貫通力を高めた技で、僕を殺しにくる。
――――今だっ!!!
僕はシャルバの紅蓮突を躱し、氷の付与された剣でシャルバの首に斬りかかる。
だが、シャルバは頭を下げ、躱した。
なるほど…。
首を狙うと避けると言う事は、やはり首は他より頑丈では無いのだろう。
なら…狙うところは決まった。
僕は氷付与を解除し、
《風雷一閃》
再び放った。
シャルバは下に躱し、そのまま僕に突っ込んできた。
僕は再び首を狙い一閃を放………たない。
シャルバが再び下に避けたタイミングで、右足を狙った。
――――シュッ――――――
切断する事は出来なかったが、斬る事には成功した。
「ぉぉぉぉ…」
シャルバの動きが一瞬止まった。
だが僕はその一瞬を見逃さなかった。
《身体強化・風煙》
僕はその一瞬で、雷付与を維持したまま、身体強化をスピード特化に切り替えた。
―――――タッ――――――
素早くシャルバの所に行き
《旋風斬》
僕は首では無く、シャルバの胸を斬った。
血が溢れる。
もちろん…心臓には刃が届いている。
「ぐっ……」
―――――ドサッ―――――
「やられた…。首を狙っていたと思っていたが…」
シャルバは立ち上がろうとする。
僕は手をシャルバに向け
【
10個の光の玉がシャルバを囲む。
そして、その玉が光線となり、一斉にシャルバに襲いかかる。
10個の光線がシャルバの腹・背中・足・腕等、全身を貫く。
―――――ド〜〜〜〜ンッ!!!!――――
貫かれたシャルバを中心に爆発が起こる。
――――――パラパラッ――――――
煙が立ち、細かくなった瓦礫が地面に当たる音がする。
煙が晴れると、シャルバは跡形もなく消えていた。
【
………うん。
半径5kmにシャルバはいない。
……って事は…
「勝ったっ!!!」
僕はガッツポーズをした。
が…体力はもう限界…
僕は地面にうつ伏せに倒れた。
――――――――――――――――――――――
☆大神殿
気がつくと、僕は大神殿にあるベッドにいた。
そっか…僕はルージア神の使徒に勝ったんだ!
それにしても…
《光線爆発》…強力だったな。
これは僕のオリジナルではなく、魔導書から取得した超級魔法だ。
魔導書から読み取れたイメージより、ずっと強力だった。
あの時…岩場で使わなくてよかった。
間違いなく、エークドル領の領都にも被害がいったであろう。
「あっ!コーキお兄ちゃん目を覚ましたのね!」
ユーリちゃんがこちらに向かってきた。
「カリンとヘルディは…無事?」
僕はユーリちゃんに聞いてみた。
「カリンさんは無事よ!……ただ…ヘルディさんが…カリンさんの聖魔法でも癒せないの…」
なんだって…。
カリンで癒せない程なのか!?
「ゔっ……僕もヘルディの元へ…」
僕はベッドから降りようとする。
「危ないわよお兄ちゃん!心配なのは分かるけど安静にしてないと……」
僕が行って何か出来るわけではない。
だが…黒神狼討伐依頼受けた時に貰った回復薬…それを試してみたい。
襲われてた村の人に使った時、すごい効果があった。
あれを見ると、期待せずにはいられない。
「大丈夫!1つ…試してみたいことがあるんだ」
そう言って、ユーリちゃんに案内してもらいヘルディの元へ行った。
―――――――――――――――――
「コーキ!!起きたのね!!助けてくれて…ありがとう」
ヘルディの寝ているところに向かうと、カリンがいた。
カリンはボロボロだ…。
おそらく最低限自分を回復した後、ずっとヘルディに力を使っているのだろう。
「無事で良かったよ」
僕はカリンに笑いかけた。
そしてヘルディの元へ近づく。
酷い…血だらけだ。
そして…全身痣だらけ…。
すると…黒いモヤがヘルディから浮き出し、僕の中に入っていった。
………まただ…。
黒神狼・崩れた神殿・そして今回…。
これは一体…なんなんだ?
「また…あの時みたいなのが…コーキ!大丈夫!?」
カリンが僕を心配そうに見る。
「大丈夫だよ!それより…もう一回聖魔法使ってもらってもいいかな?」
僕はカリンにもう一度ヘルディに回復魔法を使ってもらった。
「……え?…なんで?」
先程までとは違い、ヘルディの顔色がドンドン良くなっていく。
「よく分からないけど…さっきの黒いモヤがカリンの聖魔法を妨害していたのかもしれない」
何はともあれ、これでカリンの魔法が効く様になった。
これで…ヘルディも安心だ。
―――2人の無事が確認でき、僕は再び勝利を噛み締めた
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