6月1日[火] 帰宅途中に

 帰途、いつものように駅前通りを歩いていた。ただ、歩いていた。


 ふとした拍子に、父親に抱かれた小さな女の子と目が合う。「ねぇねぇ、パパ、パパー…」とその子はお父さんに呼びかけると、わたしを指さしてこう言った。「ホラ見て。変態さんだ…」と。


 ……もう二カ月以上、髪を切りに行けていない。早く行かねばならない。だけど、今日はもう寝よう。何も考えずにもう寝よう。

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