第2話 初めてのこと

 昨日はただ一言だけだったが、ただそれだけの会話であのユウキなのかと思うとなんかとても嬉しい気持ちだった。しかしただ僕の返信だけでユウキとのLINEは終わってしまった。


 次の日、登校日であったが、1~6時間までみっちり60分授業だった。まぁ、休み時間より楽だった。

 正直まだコミュ障が解消されてないので、休み時間みっちり質問責めはきつかった。はぁ、授業ありがたい。

 昼休み、皆から

「五十鈴さん、一緒にご飯食べない?」

「食堂いかない?」

 と、聞かれたがと断りたい。

「ごめんなさい、今日はと食べたいの...また誘って...?」

 そう言い、泉さんに

「泉さん、一緒に食べない?....―――」

 一瞬困った表情をしたが、

「えぇ、いいですよ」

 と、そう言った。内心よっしゃあああああ!!!って思ってたのは内緒だ。




 **泉優季**

 中学では屋上は使えなかった為、初めての屋上だった。そして、初めての学校の屋上は春風が心地よく感じた。そして誘われた勢いのまま屋上に来た。

「久しぶりだね。」

「うん、7年前から全く会ってないからね。」

 にこっと微笑んでそう言ったものの、全然寂しい思いはなかった。そして、小さい頃の自分を慰めてくれたのは、目の前の女の子なんだと思うと、やっぱり人って変わるんだと思った。

「えーと、ユウキ?」

 下を向いていた自分を呼ぶ声が聞こえた。

「どうしたの?下向いて」

 寂しい思いはないと言ったものの、ちょっと自分の知らないことが相手にはいっぱい増えてしまったんだな思うと切ない気持ちになった。

「いいや、大丈夫。」

 そうとだけ言って改めて前を向いてを見てみると...

 いいところに肉付いちゃってるし...他にも顔立ちがよき...あと顔が可愛い...。ハッ、観察したらダメだ!!

「何でチラチラ僕を見てくるの...?」

 ご飯を食べながら観察していた事が気付かれ、

「いやッ...そんなんじゃないよ...?あともうすぐで昼休み終わるよ?大丈夫?」

 後で墓穴を自分で掘った事に動揺しながらも、話を反らす。カスミは、はっとしたような顔をして「あっ!ほんとだ!早くしなくちゃ...」そう言いながら、ご飯を詰め込む。しかし、喉に詰まったらしくむせて咳をしていた。

 咄嗟に自分がとった行動はすぐに側に行ってカスミの背中をさすった。カスミは「ありが...ゴホッゴホッ...」礼を言いながらも咳をするカスミ。昔からカスミは意地をはったり、急かしたりするとやっぱり急いだりする事が多い。


「あっ、そうだ。」咳が落ち着いてから、カスミは何かを思い出した様に声を出した。

「...ユウキ♪放課後ゲーセン行こ♪」と、カスミはにこっと笑って唐突に誘ったのだった。









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明日の君 神田藍月 @aiduki

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