第152話 亀裂の中へ

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したい事、買いたい物が多すぎて悩む。

そして新たな小説のアイデアが湧いてくる。

手が足りない、時間が足りない……分身……したいなと思ったり、思わなかったり。

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ただひたすらに光っている方へと走り続ける。


「いつまで走らされる?何かギミックがあるのか?」


モンスターとの戦う前までは様々なギミックがあるフィールドばかりだったのでギミックステージに戻ったのではと考えたようだ。


「空間把握が前世並みに戻った事が不幸中の幸いだな」


常世と言う自らの領域内で複数の敵との戦闘、武田捜索、常世残滓探しなどを通して一気に空間把握の能力が高まった。


前世での全盛期には届いて居ないのが残念だけど、別に良いだろう?前世の強さがおかしいのだから。


「さて何かあるか?」


目を閉じ、白黒の世界を脳裏に映し出す。


「アレは…空間亀裂か?」


どうやら目的地として向かっていた光は亀裂が起こす光の反射だったようだ。


さて、ならどうするべきなのだろうか。空間亀裂と言う事は必ずしも皆の元に行けるとは限らない。


もし、これがドアや光がダンダンと強くなって別の場所へなどゲームなどによく有りそうな展開ならまだ引き返せる可能性がある。


もちろん神夜の前にある亀裂だってゲームに出てきた場合は往復可能である可能性も十分にある。


言ってしまえば空間亀裂とは空間異常だ。入って敵がいる、水の中、空の上、考えたらキリが無い。しかし、考えてしまえばドアだろうがなんだろうが目の前の亀裂と同じくらいの危険性はある。


ただ……空間亀裂の場合は可能性としてはとても低いが、もしかすると何処かの立派な白いヒゲを持った男が使っていた能力と同じで触れた瞬間に振動が来るかもしれないが……。


「はぁぁ、進むしか無いか」


後ろへと戻るのが正解なのか?考え始めたら動けない。全知全能ではないのだから、ある程度の思考放棄はしないと駄目だ。


ダン!


気合いを入れる為に地面を強く踏む。


「よし、行くか」


スピードを上げて亀裂へと近付いて行く。だがいっこうに亀裂へと辿り着かない。どうやらある距離まで近付くと少し遠くへと飛ばされているようだ。


「面倒なギミックだな」


辺りにこのギミックを解除する為の物は無さそうだ。今なら透明な物が遠くにあろうと何かあると分かるが……無さそうだ。


ならどうするのか……もう力づくで通るしか無いだろう。


「崩国中振り」


刀を抜き、真上に上げ振り下ろす。


別に空間を切る訳では無い。ただ少し通り道を正すだけだ。草木が鬱蒼とした場所を通る時は枝で前の方を叩いて通りやすくするだろう?それと同じ事をしているのだ。大抵は何回も叩かないとすぐに元通りになってしまう。1回だけ叩いて通るなら叩く1回を強く、そして早く通ればいい。


シュッ!


瞬歩だ。一瞬にして数十メートルほど先へと進む。


そして…、空間亀裂へと触れる。


シュッポ!


と言う音と共に神夜は亀裂の中へと入っていた。


正解だったのか不正解だったのかは分からないが、白い空間からは抜け出せた。


神夜がいた白い空間、その中にあった亀裂はだんだんと小さくなっていき数分後には消えてしまった。


そして白い空間は何も見えない黒い空間へと変化を遂げた。

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