第148話 賭けはしたく無かったが
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左手に持っていた三刀を上に居た巨大なモンスターに突き刺し、そのままぶら下がりながら次にどうするかを考えていた。
しかし、どうしても次の有効な手段が思いつかない。
もしこれが万全を期した状態だったのならば、強力な技を幾度も使えば短期決着になっただろうが……。
考え事をしているとまるで水が風になったかのように神夜を目掛けて来た。
刀を離して下に落ちるのは最悪だ。ならこうするしかない。
右手に持っていた三刀を少し離れた所に刺し雲梯をしているかのように避けていく。ただ移動しているだけだと水に当たりそうになるため身体を動かして避けていく。
もしこれがジェスチャーゲームなら雲梯なのか鉄棒なのか分からない所だが、そんな事はどうでもいいだろう。
「ふっ!身体を鍛えたい訳じゃないんだよ!」
そう文句を言いつつ、グサグサと刺して抜き、刺しては抜きを繰り返しす。
途中からこれで血を流させる作戦にし、グサグサとモンスターの腹なのか背なのか分からないが穴空きにしていく。
すると、流石にモンスターも痛いのか更に攻撃が強くなって行く。氷柱や氷の塊、水のレーザーと避けるのが厳しくなって行く。
「流石にこれ以上は腕が……」
落ちたら終わりな場面で無理にこのまま攻撃をするのは何も考えてい無さすぎる。
危険を承知でモンスターの上を目指す。
どうやらこのモンスターは1枚の紙に紙より少し小さい半円を線対称に書いたような図体みたいだ。
急に平面の硬い鱗が出てきた為そこを掴み、身体を揺らして遠心力を使って上へと前回転をして着地する。
着地したあとは絶大な一撃を与える為に、スピードを上げながら頂点を目指して走る。
そして頂点よリモート少し前で大きく跳躍して空に舞う。
「久しぶりの大技だな」
マジックバック【仙窟の中】から剣を出す。
神夜の身長以上の巨大な剣だ。大剣と言うものだろう。
そして過去…いや、前世を思い出す。これは戦や反乱などを通して崩れて逝った城を見て作り出した技だ。
大剣を高い位置から下へと振り降ろしながら下へと落ちていく。
「
大剣の色が少しくすむ。そのくすみはモンスターに近付けば近付くほど変化が大きくなり、遂にはモンスターの身体に当たる前には瓦礫の粉のようになっており、剣では無くなっていた。
ガーン!
酷く低い音が響き渡る。
「ぐぉぉおぉぉぉおぉおぉぉ!」
モンスターの悲鳴モンスター響き渡る。
モンスターの背中にはクレーターのように抉れ、そこに剣だったものである粉が大量に積もっていた。
「はぁはぁ、はぁ、はぁはぁ」
過呼吸のようになり、身体の力が抜け倒れる。
それは当たり前の事だ。普段ならまだしも今の神夜は全ての力が代償により使えなくなっていると言っていい状態だ。その状態でそんな技を使えば身体が動かなくなるに決まっている。
「後はどうなるかだな……賭けはしたく無かったが……」
そう呟き、神夜は目を閉じた。
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