第140話 全力で上前に走れ!

引き続き神夜、武田視点から始まります

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「よし、後はちゃんと使えるか確認しないとな」


「いつもは5分だけど今回は時間かかったな、何分使えるようにしてくれたんだ?」


「1時間」


「1時間!?そんなにいるか?」


「何があるか分かんないだろ、それと今回でコツ掴めよ。今回の劣化軽功くらいは使えて損は無いぞ」


「分かったよ、ありがとうな」


会話をしながら今回作った符の確認をする。符に呪力を送る、しっかりと完成しているのなら反応があるはずだ。


‘軽功1時間‘


あるな、完成だ。


「武田、使え。出発するぞ」


「了解、ありがとうな。渡り始めるか」


「念の為に少し空中歩行出来るようになってるからな」


「足場が消える可能性を考えてか?」


「そうだ、後はさっきのモンスターの更に大きいサイズが出てくる可能性もあるからな」


「アレより大きいとか辞めて欲しいな」


武田が符を使ったのか、符が透明になり消えていった。


「出発だ」


ふんわり軽く、しかし速く足場を踏みながら濃い水を渡っていく。


武田を前に、神夜を後ろにして波紋を一切作る事なく順調なスタートだ。


スタートから30分程の場所で異変が起こり始めた。


「なんもないなぁ、有るのは濃い青色の水と不安定な足場だけ……」


「ん?武田!気を付けろ!」


「え?危な!?」


体を左に寄せて武田が降ってきた何かを避ける。


よく見ると細長い氷柱のようだ。1本だけではなく次々と2人を襲う。


ちゃぷん


「神夜!?」


「全力で上前に走れ!空中歩行使え!」


「「身体強化!」」


魔力を使い身体能力を格段に上げる。神夜はまだ仙力や呪力、妖力などを使えるが今回は後の事を考えて使わない。


ダァン!


不安定な足場を思いっきり蹴り、空中に飛び出す。


もちろん大きな波紋が生まれるが最早関係ない。


大きな魚影が下に映り始める。


「デカ!?神夜!」


「魔力なら回復出来る!全部使ってこのまま行くぞ!時折ポーションは飲んどけよ!」


最初に見たモンスターよりも更に2回りは大きいであろう魚影が見えた2人は更に身体強化を限界まで使い空を駆け抜けていく。


その間氷柱が止むことないので空中で避けながら先へと進んでいく。


バシャァァァァン!


全力で身体強化をしたお陰でギリギリ靴が擦れるくらいまで駆け抜ける事が出来た。


まだまだ陸は見えない。



side神夜と武田以外の皆


「速!?…おわ、こっちに構えたな。撃ってくるか?念の為に【頑丈】」


大砲が狙いを定め、砲撃準備を完了する。


ドン!


大砲が撃たれた瞬間に下に穴が空く。ここまでは先程と同じだが、違う点が1つ。紫と黒が混ざったような手が下へと引き入れる。


「え?」


ヒュン!


(怖すぎだろ、なんだ今の)


「おい、怖すぎだろ。なんだ今の」


「早く中に入れる為の手」


「ホラーなんだよ、先に言ってくれ!」


(そりゃそうなるだろ、後にしろ。まだ大砲あるぞ)


そこから4回ほど同じ工程を繰り返した所で大砲が壊れ、消えていった。


(皆行くよ!陣形は今まで通り取って頑張ろう!)


スっ


「え?」



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