第139話 またまたまたまた一方
保存を押したはずなのに保存出来ていない時がとても辛い
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「とりあえず、石投げて見るか。なるべく遠くがいいか」
「神夜がそう思うならいいんじゃないか?」
「っしょ!」
野球選手に見紛う程の完璧なフォームから投げられたちょうどボールと同じ大きさの石は放物線にそって数百m先へと飛んでいく。
ちゃぷん!
バァーーーーーン!
!?!!?
「おい!?やばくないか!?」
「後ろに戻るぞ!」
石が濃い青色の水へと落ちて波紋が出てきた瞬間、急に水の中から巨大なクジラもようなモンスターが現れた。大きさは推定で横1000mを超えるほど、長さは3000mほどだろうか、そして高さは口を開けた時が最高2000mほどだ。人間1人や2人、飲み込めない訳がない。
現在は水から飛び出し、まだ上昇を続けているがそのうち下に落ちていくると判断した2人は、水中に落ちた瞬間に起こるであろう津波を危険だと判断し、来た道を全力で戻っていく。
落ちたら終わりの中、全速力で走り、飛び、曲がり、どんどんとスタートへと戻っていく。
「そろそろ落ちてくるぞ!」
「まじかよ!めっちゃ高く飛んでるじゃん!」
巨大なクジラ型のモンスターは最終的に6000mほど水中から飛び出したようだ。つまり自身の3倍以上の高さを飛んだと言うことになる。
落ちた時の衝撃の強さは様々な要因で強くなったり、弱くなったりするが、それを一旦考えず単純に考えてみよう。
衝撃の強さはすごく簡単に言えば速度と、質量で決まる。
今回は質量が飛んでもなく大きい値になるはず。つまり、衝撃がとても強い!
「落ちる速度は普通みたいだな」
「良かっ
バァーーーーン!
「「!?」」
「落ちてる!?」
どうやら落ちる速度が一瞬にして上がったようだ。とてつもない衝撃と津波が生まれた。
「ヤバい、ヤバい、ヤバい、ヤバい」
「武田!手掴め!」
「了解!」
「【忍者の道】」
幻の木々が水の上に映し出される。映し出された木の枝を蹴りながらスタート地点へと戻る。
「来てる!来てる!急げ!神夜!」
「急いでコレだ!」
しかし、いつ気付くのだろうか?急ぎ過ぎている性なのだろう、ある事に2人して気付いていない。
津波ばかり気にしているが、もう1つ津波より先に来るであろうものが来ていないのだ。そう衝撃が来ていない。音速は1秒で340mほど進むと言う事、数百mしか離れていないのだからヤバい、ヤバいなどと言っているうちに衝撃が届いているはずだ。しかし、届いていない。
「ん!?おい止まれ!神夜!」
「諦める気か!?」
「そんな訳無いだろ!津波がこっち来てないんだよ!」
「え?……本当だな……」
「……戻るか」
「……そうだな」
全速力とは言わないものの、かなりの速さで石を投げた地点へと向かう。
「着いたー、体力の無駄使い」
「衝撃が来てない時点で気付くべきだったな…はぁ」
「なぁ、神夜」
「なんだ、武田」
「これ……波を一切立てずにジャンプで渡って行くって事か?」
「……そうだろうな、もし波を立てたら……奴が来るだろうな」
「ここが最難関だよな……これ終わったらゴールだと俺は信じる」
「武田、ゴールにも何か有るだろ。ここまで来たら」
「うるさい、渡るか…」
「そうだな……」
神夜は忍者や仙人などなので、体重操作なども簡単だが、武田はそんな事は出来ないのでまずは渡る前に軽功を付与する符を作る事になった、結局すぐには渡らないようだ。
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