第128話 仮拠点


「コレは面倒」


1時間に1回の襲撃で来たモンスターは


種族:ネットスパイダー極小


と言うモンスターだった。


名は体を表すと言うだろう?まさにその通りだ。とても小さい蜘蛛の形をしたネットがネットスパイダー極小と言うモンスターだ。


このモンスター、実は他の蜘蛛形のモンスターから生み出されるモンスターなので本来ならコイツだけで現れる事はない。しかし、ここはダンジョンだ。そんな事関係無いと言わんばりに出てくる。


90階層の多頭系モンスターにも本来ならそれを生み出す存在がいるはずのものがいた。


後はこのダンジョンに入って来て最初に会ったモンスターである、レアモンスターも種族的に更にレアゴブリンが居ないと誕生しないモンスターだった。


話を戻そう。襲撃出来たネットスパイダー極小は直径1〜3cmのモンスターで身体以上のネットを自由に作り出す事が出来る能力を持っている。後はとても素早い。ネットには効果が有り、当たると様々な状態異常とスキル封印など引き起こす。


ネットは身体と同じサイズも物も作れる為、気付かない内に服や靴などに付いている事が多い、大きさは関係なくネットは全て同じ効果を持っているので小さいネットが付いても戦いずらくなる。またネットの硬さはサファイヤと同等なのでかなり硬い。


ネットスパイダー極小の倒し方は武器や魔法が纏っている空気が数百回当てる事と言う、文字だけを見たら何とも面倒な方法だった。


簡単にいえばただ単に攻撃を当て続けれいいと言うことだ。当たればの話だが……。


このモンスターと戦うなら素早さなどを下げるデバッファーが居ると良いだろう。素早いのが面倒なら遅くすればいいのだから。


デバフを与えれる者が2人、協力すればデバフをつける事が出来る2人の計4人間が素早さを下げるデバフをモンスターにかけると……。


「っし、終わったな。皆お疲れー!」


すぐさま終わる。


「今日は入口付近に仮拠点を作ってしまおう。時間があったら昼食まで少し先の偵察もしよう」


誠の言葉に全員が賛同し、辺りの植物を切り、拠点に必要なスペースを開ける。


椅子やテーブルを作り、寝る場所を作り簡単な仮拠点を作り上げる。


「時間が中途半端だな、どうする?」


「休憩時間って事にしよう」


休憩時間と言われてもする事がないので、全員が椅子に座りお喋りを始める。


「そういえばさっき植物を早く切れないかと思って、高い所をバサって長めに切ったけど切った下は地面に落ちなかったな」


「皆それ1回はしてたね、私もしてけど無理だったから諦めたよ」


「燃えてくれたら1番良いのだけれど……無理なのよね」


「無理だな、一応試して見たが全く燃えない。生きてる植物は余り燃えないと言うが……そんな感じても無かったからな。根本的に燃えないんだろうな」


「これから何処かに行こうとする度に植物を切って行かないと思うと憂鬱だなー」


テーブルに突っ伏しながら孤子佳が言う。


「まぁ、でも燃えない事にも利点はある」


「利点?何それ?」


「孤子佳のドジで火事になる事無い」


「そうね、私もそう思うわ」


「酷い!」


バン!


机を叩きながら立ち上がるが…


「ドジが治らないんだから仕方無いだろ?まぁ、座れって」


「そうよ、座った方がいいわ」


「ドジしてないもん……」


座り直し、また机に突っ伏しながらそう言う孤子佳を小晴と2人で頭を撫で事で機嫌を良くしようとするのだった。

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