第127話 91階層


「は?」


いざ91階層の攻略に!と気合いを入れて足を踏み入れたが目の前の景色に、その一言しか言えなかった。


数十分前


「よし、いつも通りのルーティンが終わったし、時間もいいからそろそろ91階層の攻略を始めよう」


全員で91階層へと繋がる階段の前に来た。前までは書かれていた条件を全てクリアしたからなのか、もう書かれてはいなかった。


「ならまた俺と誠で灰原護りながら偵察するか」


「今回も入った瞬間の場所は大丈夫だと思うけどな」


「灰原の鑑定で見てたら良かったのにな」


当たり前だが次の階層の情報は次の階層に行かないと見えないので、そこに文句を言ってもしょうがない。


「よし、行くか」


気合いを入れて、足を踏み入れた91階層は壁のように生えている木の葉っぱに防がれて辺りを見渡せない状態だった。



「神夜はモンスターの気配とか感じる?灰原は鑑定出来た?」


「この葉っぱのせいなのか、気配がよく感じれないな」


「鑑定したらこの葉っぱ……というかこの階層全体にある植物のせいでみたいだな。様々な事を妨害する特性が有るみたいだ」


「これは切るか、燃やすかしないと通れないのか?流石に刃が通らないとかはないだろ?」


「切れはするだろうけど、燃やすのは無料だろうな。それにこの階層全部目の前の植物で埋まってるから空間が無いぞ」


「「面倒な階層来たな(来たか)」」


「ならとりあえずスペース作るとするか、誠」


「そうしようか」


俺は大太刀で、誠は西洋剣で植物を切ってスペースを作り出す。


「これモンスター植物掻き分けながら移動してるのか?」


「切ったけど罠は有りそう?灰原」


「この階層には罠無いみたいだな、ただいつものモンスターの襲撃は有るぞ」


「有るのかよ」


「1時間に1回の頻度みたいだな」


「とりあえず皆呼ぶか」


チャットで皆を呼ぶと、続々と91階層へと入ってきた。そして目の前の光景を見て顔を顰める。


「見ての通り今回は面倒な階層みたいだから頑張っていこう。この階層は全部この葉っぱみたいなので埋まっているみたいだから、先に進むには切るしかない。燃やすのは無理みたいだよ」


「あ、さっき2人に伝え忘れてた。この植物達再生するからほっとくと元に戻る」


「マジかよ……拠点どうする?90階層から通うのは奥に行ったら面倒だよな、90階層より広いだろうし」


「結界で何とかなるんじゃないかしら?」


「やってみないと分からん」


「後この葉っぱ色んな妨害効果があるみたいだら気おつけて、スキルとか使えなくなるかも知れない」


「とりあえずこの辺りをもう少し切って戦い易いようにしとくか、例に漏れず襲撃は有るみたいだからな」


最初の81階層くらいでのモンスターが襲撃してくる条件に人数があったが、88階層くらいからは人数に関係なく襲撃が起こるようになった。人数に関係なく襲撃してくるが、襲撃してくるモンスターの数は人数によって階層事に変わる。


そして人数に関係が無くなったので最初の襲撃は、階層に全員が入ってきたタイミングでは無く、入ってから時間が経ってから起こるようになった。


今回は1時間に1回なので、1時間後に襲撃が起こる。と言う感じになっている。


襲撃の10分前まではどれくらい妨害されるのかの検証などをして過ごす。

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