第102話 あの幽霊
丸テーブルの4つある椅子の1つに座って数分待っていると
「終わったわ」
「ごめんね〜、終わったよ」
洗面所から2人が出てきた
「時間あるから大丈夫だぞ、座ってくれ、話し始めるぞ」
2人は頷いて椅子に座る
「昨日浴場から上がった後に景色を見ようと上のバルコニーまで上がって景色を見てたんだよ」
「え、私達も浴場から上がったら見に行こうとしてたけど今日は止められて上がれないって言われてたのに」
「浴場から上がったのは何時なんだ?チャット返した時くらいか?」
「そのよりもう少し後ね」
ん?どういう事だ?あの元王女の幽霊と俺が話していたのは孤子佳や小晴が来る前より数時間も前の事だぞ?
「まぁ、先に全部話してしまうから聞いててくれ」
それから2人にバルコニーで景色を見ていたらこの国のいつのかは分からないがレティナに似た幽霊が現れた事、そいつが王様に念を送ってバルコニーに人を入らせないようにした事、高級感のある陶器を渡されダンジョン100層まで持って行って欲しいと頼まれた事を話した。
「それで渡されたのがこのコップの陶器だ」
丸テーブルの上に幽霊から手渡されたコップを置く。割れたりしたら大変なので柔らかい毛布を出してその上に置いている。
「確かに高級そうだねー、他に何か言ってなかったの?」
「なんも言ってなかったな、朝食が終わったら灰原に鑑定して貰おうと思ってはいる」
「そうした方がいいわね、それで今回はこの頼みを聞くか無視するかって言うことについて話そうと言うことよね?」
「いや、全員で100層を目指すからそれは皆に話してからだな」
「ならなんで今言ったの?」
「2人には後でこれに幻術とその幻術の強化をして貰いたいから先に伝えて置こうと思ってな」
「それくらいならその時に言えばやるわよ」
「今回は相当強くしてもらいたいから疲れるはずなんだよ、最悪今日1日潰れるかもしれないからな」
「ゆーちゃんが責任持って疲れた私達によくしてくれるならいいよ」
「孤子佳と同意見ね」
「分かった、分かった」
そこからは昨日何をそんなに話し混んでいたのかと浴場での出来事、アスレチックの事などを話していた。
そうしていると時間はすぐに過ぎるもので朝食の時間が近くなりメイドさんが呼びに来たので食堂へと向かう。
どうやら俺達が最後のようで2人はメイドさんと話しながら歩いている。大司達はもう先に行ったようだ
そういえばなんであの幽霊は俺にコップを渡したんだろうか?俺より後に来た人達は止められて入れなかったと聞いた。俺はもうコップを受け取っていたのにだ。
俺は止めらると言うよりもそもそも人がいなかった。もしかして小晴達は浴場から出てすぐにバルコニーに向かったが、俺は2人を浴場に行けよと言うために食堂がある階まで登ってからバルコニーを目指したせいなのか?
止める警備の人が来る前に入ったのか?そうなると……このコップを渡す相手は俺じゃない誰かなのかもしれない……。
ただ単にあの幽霊がもう入ってもいいと王様に伝え忘れたせいなのかも知らないが……。
分からないな、とりあえず朝食が終わったら皆に話すとしよう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます