第101話 水が強かったの


煌びやかな線が見える。これは外と中を隔てる透明な壁から入ってきたものだろう。この眩しさがあると言うことは起きた方がいい時間なのだろう。


むくり


ベットの上で腰を浮かすして左右を見渡す。


「2人ともまだ寝てるな、昨日はいつ帰ってきたんだろうな」


ベットから出てベランダへと向かう。


ガラガラ


「この音だけは同じ音がするんだよな。親近感は湧くけど、いい値段がするビジネスホテルに泊まっているかのように思うんだよな」


そう言いつつ太陽の輝きに目を細めながら腕を伸ばす。


「う〜ん、よし、今日からまた強くなるよう頑張ろう。全員が楽しく過ごせるように」



ガラガラ


中へと戻ると洗面所へと向かっていく。


「シャワー浴びるか」


顔だけ洗らい、他は汗を流す程度にサッと浴びて上がる。


身体を拭いて髪を乾かしたら、軽く歯磨きをする。朝の口は汚いのでそれをある程度は綺麗にする為にする。


「終わったから部屋に戻るか、2人は起きたかなー」


部屋に戻るとまだスヤスヤと寝ていた。


マジックバックのチャットを見ると、昨夜先に寝ると打ったのが夜の10時頃だが、チャットが帰ってきたのは日付が変わった頃だな……。


チャットを打てたって事はこの時間に着替え終わったのか、この時間に浴場から上がったのかだな……。もしマジックバックにお風呂で使う物を入れて一緒に持って入ったらなら分からんが……。


返事も分かったと分かったわだからなー。まぁ、起きてから聞けばいいか。


朝ご飯が大体8時半頃で今6時過ぎだから後1時間経っても起きなかったら起こすとしよう。


2人に近付いて寝顔を見る。


「2人とも可愛いなー、頭撫でてよ」


俺も変わったよ。前世は仕事に真面目過ぎた。性格は殆ど変わってないとは思う。


でも優しい方に変わったとは思うけど、前世のようにならないといけなくなって来たな。ON/OFF切り替えすればいいか。


考えながら2人の頭を片手ずつ撫でていると


「んー、ゆーちゃんー」


孤子佳が腰に手を回してギュっとして来た。


どうやら完全に目は覚めていないが起きては来たみたいだ。


それに比べて小晴は気持ち良さそうに寝ている。しかし、何故か少しずつ近付いて来ているように思える。


最終的に7時になっても2人とも起きなかったので名前を呼んで起こした。


2人とも寝惚けて可愛かったが話す事があったので顔洗っておいでと洗面台に送り出した。


「うわわ!」


数十秒後に急に孤子佳が叫んだので洗面台に行ってみると、そこには顔周りがビシャビシャになった孤子佳がいた。


小晴はシャワーを浴びているようだ。


「何してるんだよ……」


「顔洗おうと思って水出して手を入れたら水が強すぎてかかったの」


水はしっかりと止めたようだが……、周りがビシャビシャになっている……。


まず孤子佳の顔を拭いて洗面台や下を拭いていると


「何してるの?」


小晴が上がって来たので状況を説明する。


「もう、何してるのよ。孤子佳。そうなると思って注意したのに」


「ごめんなさい!寝惚けたままだった……」


「小晴も身体拭いて髪乾かしてしまえよ」


「そうね、そうするわ」


「孤子佳もシャワーしてきたらどうだ?」


「そうするねー」


「終わったら話す事あるから」


「わかったー」


「分かったわ」


部屋に戻り数分待つと2人が部屋に戻ってきた。

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