第97話 気が済むまでやるといい


「もうそろそろ止めて風呂行けよ、男子も女子も。明日の朝起きれないぞ」


「そうだな、クッソー!また明日来てやろうかな」


「セーブ機能無いから次来たら別のになると思うよ?」


だろうな、ランダムだからな。


「………よし、後少しだけ……」


キリがないだろ、それじゃ!


「おい、こいつ連れてけ」


「え、俺もまだしたっ「さっさと風呂入れ!」い……了解……」


「お前は何分身置いてこうとしてんだ、お前も行くんだよ!」


「本体風呂入るから良くないか?」


諦めの悪い者どもめ!女子を見てみろ!ほらちゃんと風呂に向かって………無いな


「あぁ、まあもう気が済むまでやるといい」


諦めも肝心だからな。


あれ?小晴と孤子佳、藍那はいないのか?


「小晴達は何処に行ったんだ?風呂に入ったのか?」


とりあえず女子に聞いてみよう。誰か知ってるだろ。


「私達が行こうとした時はまだお喋りしてたよ」


長い、まだお喋りしてる可能性があるのか。


一言言ってから部屋に戻るか……、全員リラックスしているように見えるかもしれないが、全員索敵は忘れていない。もしかしたらここも敵地なのかもしれないからな。魔国が安全な国とは言い難い感じになってしまったからな。先の1件で。


「うーん、この気配だとまだ食堂で喋ってるな…」


大浴場へ来た道を辿って食堂へと向かう。


「んー、じゃあ私は暗器の練習でもしようかなー」


「私は身体をもう少し鍛えないとね、大変ね」


「私はもっと強くなるのですわ!」


喋ってるなー


「何時まで喋ってるんだよ、俺もう風呂上がったぞ?先部屋戻ってるからそれそろ、風呂行けよ」


「あれ?そんな時間経ってた?」


「あら、もう数時間過ぎてるわね」


「喋り過ぎましたわ、神夜の言う通りお風呂に行きますわ!」


俺が来た事で結構喋っていた事に気付いたようだ。また後でねと言うと3人とも風呂へと向かっていった。


「さて、部屋のベランダから外を見るか、城のバルコニーから外を見るか…」


部屋に戻るとは言ったが、今風呂に行ったので帰ってくるのはまだまだ時間があるだろう。部屋の鍵はそれぞれ持ってる訳だから開けておく必要は無いしな。


「バルコニーに行くか」


景色が見たいなら圧倒的に城のバルコニーから見た方が綺麗なので今日はそちらに行くとする。


今行こうとしているバルコニーがあるのは城の半分より上にある場所だ。城下町の街並みを遠くまで見ることが出来るのでとても人気な場所の1つになっている。


「今日の天気と合わせたらめっちゃ綺麗だろうな、楽しみだ」


ワクワクしながら階段を何段も登って目的地を目指す。


「あー、やっぱりここまで登ると疲れるな…帰りは魔力盤で帰ろ」


魔力盤は日本で言うエレベーターみたいなものだ。それを電気ではなくて魔力で動かすくらいしかハッキリとした違いは無い。


「お?今日は誰も居ないのか。珍しいな。こんな天気なのに」


何時もは異世界勢、現世勢の誰かが居る事が多いが現世勢は風呂に行ってる人がほとんどだから居ないんだろう。異世界勢は……分からないな。執事さんとかメイドさんは俺らの服を洗濯する準備をしているのかもな。


「うわぁー、超綺麗ー」


見渡した絶景は見た人全員が感嘆する程のものだった。


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ちょっと忙しくなるので8月5日までは不定期更新です。

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