第89話 割れ過ぎだろ
「福磨、なんて事言うんだ」
「気付いたから言っただけだよ〜、そうなるとは限らないよ」
うーん、確かに現時点では強くなったら暴走しなくなる。ではなくて、強くなっても暴走する、その場合は今回の暴走より大変な事になると言うのも考えられる……。
「それはもうゆーちゃんと私達で頑張るしかないわ」
「小晴ちゃんの言う通りね、被害が出そうなら私が罰を与えるわ」
「なら、とりあえず次の話題にしよう。えーと、先生の言った順番なら次は妃芽達の蘇生についてだったはず」
「そうだな、その話題を話そう」
「なら灰原だな、よろしく」
俺に3人の蘇生は無理かもって言ったのもコイツだからな。
「あぁ、じゃあ話すぞ。まずはこれを見てくれ、、神夜が送って来た資料だ。読めないと思うが違和感には気付くはずだ」
そう言って資料を机の上に置いた。
「「「「「?」」」」」
皆がその資料を覗き込む。もちろん俺も覗き込む、そんな詰めて見たら全員見れないだろと思うがステータスが高いお陰で少しでも見れれば見ることは出来る。何人かは自分の視点を動かして見ているやつもいる。俺もそうだな。
上から俯瞰するような感じで資料を見ている。他には資料の目の前に視点置いてたり、物を浮かしてそれを視点にしているやつもいる。
視点は動いてないが透視をして資料だけを読んでるやつもいるな。
そして資料を読んで全員が気付いた事がある。それは……
「これ別の言語が3つくらい入ってる?」
「そうだ。レティナや王様達はどれが見た事のある文字はあるか?なんて書いてあるかは分かっているから言わなくてもいいぞ」
そう言って資料をレティナへと渡す。
《これは!1つだけ分かる言語が有ります》
そう言いながらレティナは横にいる王様では無く、後ろにいる宰相へ渡す。
《え?次儂じゃないの?》
完全に資料が手渡されると思いレティナへと手の平を向けていた王様は、宰相の方に行くとは思っていなかったようだ。
《姫様が言う通りですね。これは過去の言葉ですね》
「過去の言葉?なんて言う言語なんだ?」
《言語の名前が過去の言葉と言うんですよ》
「他の言語について分かる事は?」
《分かりません。少なくとも私達が知らない言語です》
その過去の言葉はこの国の言葉だったのか?それともこの世界のか?
「その言語はこの国の過去の言葉なのか?それともこの世界の言葉だったのか?」
《この国と言うよりはこの地域の過去の言葉です》
「地域?」
なんだ地域って、このグラフェン魔国と他の国を合わせたものか?
《それは儂から説明しよう。かつてこの国は今よりももっと巨大な国であった。しかしの、今から数千年前になるが、急に国が割れ別々の場所へと転移したのだ。そして国が割れ、転移する前に使っていた言語がこの過去の言葉というものなのだ》
「何個に割れたん?」
《6つだと聞いています》
割れ過ぎだろ、なんでだよ。しかも別々の場所へ転移って……とんでもない世界だな。
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次回は7月6日の予定です
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