第87話 4つの情報
《……のう、神夜よ。もしこの国がその召喚士の言った通りならどうするつもりなのだ?》
「分かってるだろ、レティナが最初に俺の心を聞いた通り。国を破壊する」
「……神夜なら言った通りに出来るだろうな。グラインド公少国もボロボロになってるしな、なんか大きな亀裂があるって誰か聞いてたよな?それも神夜が暴走した時に起こした事なんじゃないか?」
「ん?だとしたらただ敵を斬るだけにあんな力を使ったのか?あの規模の攻撃をするほど強いやつが……いや、常世の中か。なら違うか」
「分からないよ、殺された3人も最初に常世の中に入った時に皆より耐性があったみたいだし、もっと耐性がある人が居てもおかしくないよ」
「もしかして死期が近かったから死に近い判定で耐性があった……?」
「それは一理あるかもしれない、神夜、部屋だけに出せるようになったんだよな?」
「あぁ、出せるぞ。話し合いが終わったらやるか?」
「頼む」
話し合いは進む、ここが敵の陣地だとしても敵の重鎮が4人もいる。そしてクラス全員が集まっている。ベットに乗ってるやつが数名いるのが痛いがある程度なら何が来ても撃退出来る。
《神夜君。この国は完全か白とは言えないけど、白よりの国である事は覚えていてくれ》
ムネトノさんがそんな事を言う。
「俺が信じるモノは俺が決める。人が信じたからと言って信じる訳じゃない。どんな人間でも裏切りる可能性がある。血を分けた家族であろうと、信じた部下であろうと裏切る時は裏切る。主が信じるなら信じる事にしようと思っていたから誰も救えなかった」
結局、道三殿は息子の義龍によって討たれてしまった。次の主君である信長殿は家臣の明智光秀に裏切られ討たれてしまった。俺の家族も……チッ。
その言葉を聞いたクラスメイト達はすぐに神夜の前世の話だと気付き、黙って聞いていたが、レティナ以外の魔国組はよく分からないようだ。逆にレティナは心を読んだのか少し青い顔をしている。
そんな事を話していると
コンコン
《入れ》
カコン
《失礼します。情報隊2番トップただ今戻りました。報告を致します》
グラインド公少国へと行っていた情報収集の人達が帰ってきたようだ。
その人が報告した内容は以下の事だった。
1つ、死んだ人には共通で犯罪を犯していると言うこと
2つ、扉の破壊は人。それ以外の破壊後は別の誰かだと言うこと。そしてそれは見た人に聞いたところ化け物だったと言うこと。
3つ、地面の亀裂の先にある交奏連邦があり、グラインド公少国のような状態になっていると言うこと。
4つ、交奏連邦が喚んだ者達が今夏の敵である召喚士達かもしれないと言うこと。
この4つだった。
《さっきの映像とうつし合わせると4つ目以外は同一人物が行った事であろうな》
そう言いながらこちらを見る王様。
「その交奏連邦とやらで召喚士達の遺体は見つかったのか?」
《1名だけ確認出来ました。腕に何のシルシのようなものが描かれている少年です》
「そいつは最初に塔を登った時に逃げたやつだな。そのシルシをつけたのは俺だ。だが……1名?そんなはずは……回収されたのか?」
本来あのシルシは心霊的な超常現象により死の連鎖が起こるものだ。そしてそれが起こるのは付近に味方が5名以上いる時に発動する。それなのに付近に遺体がないだと?どういうことだ?
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次回は7月2日の予定です。
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