第81話 次期宰相候補
「あぁ、だからシャワー浴びたり、顔洗ったりしてたのか」
寝顔を見てたら一緒に寝てしまったという可愛い事実を聞いてシャワーと顔洗いについて納得していると
〈ご機嫌よう、御三方〉
「ん?」 「ん〜?」 「?」
左から順に俺、孤子佳、小晴の反応だ。3人とも後ろをから声をかけられたので振り返るとそこには、フェグラン魔国の第4王女のレティシア・ナヤラ・フェグラン。通称レティナと後ろに1人の顔見知りと2人の知らない男女がいた。
「レティナとグリスと?後は誰だ?」
小晴と孤子佳はレティナとグリスに挨拶をしたが後ろの男女は誰だろうと思いったのだろう。挨拶はしなかった。
ちなみに、グリスは神夜達がダンジョンへ行く際の騎士達のリーダーを勤めていた男性の名前だ。
〈このお二人はグラフェン魔国を支えて下さっている右大臣のムネトノ・フェン・ティアラ伯爵と左大臣のクルス・グラン・マーサ伯爵夫人です〉
〈右大臣のムネトノ・フェン・ティアラと申します。今日はこれからの事を話すとの事なので私も呼ばれました〉
〈左大臣のクルス・グラン・マーサと申します。
〈俺はグリス、護衛として同行している〉
グリスは言わなくても分かるよ!何雰囲気に飲まれて名前紹介してるんだよ。ダンジョンの時は頼れる人感満載だったのに。いや実際頼れる人だけど。
「よろしくお願いします、ムネトノさんとクルスさん」
「よろしくお願いします。ムネトノさん、クルスさん」
「よろしくお願いしますわ、ムネトノさん。クルスさん」
小晴も微妙に藍那に毒されてるなー、お嬢様言葉みたいなのじゃなかったのにな……会った時は丁寧な言葉を喋る可愛い女の子だったのに……いや、今も可愛いけど。寧ろ前より可愛くなったけど。
〈私も今回の顛末を知る為に話し合いに参加します。夕食も御一緒だとファウスト宰相から聞いてます〉
おっと、話聞いとかないと……あ、やば聞いてなかったなんて思ったらレティナになんかまた言われてしまう。
「そうなのか、なら一緒に行くか。どっか寄ってから食堂に行くのか?」
ちょっとムッとしたな。これは心の声を聞かれたな……。
〈いえ、このまま向かいます〉
「なら一緒に行くか」
「行こう!」
「行きましょう」
こうして俺達3人とレティナ達4人が合流して7人で食堂に向かう。レティナと話すために小晴と孤子佳が後ろに下がりクルスさんを交えての会話が始まった。そうなると自然と男たは前へと集まり会話が生まれる。
「グリスはいいとして、ムネトノさんは右大臣としてどんな仕事をしてるんですか?」
〈そうですね、特に仕事内容は決められていませんが次期宰相候補としてファウスト宰相殿の補佐をしています。〉
次期宰相候補?凄いな。しかもそういえばムネトノさんもクルスさんも結構若いんじゃないか?30歳は超えてなさそうだけどな。
ちなみにムネトノさんとクルスさんの外見は、ムネトノさんはタレ目で優しそうだけどけどキリッとした顔立ちをしていて服は黒を基調とした服装だ。髪や目は赤茶と言うのか赤褐色といえばいいのか微妙な色合いだ。身長は俺とだいたい同じだから175cmくらいなんだろな。
クルスさんは微妙にツリ目?いや、化粧でそう見えるようにしているだけなのかもしれない。そして幼い感じの顔立ちをしている。髪は金色で目は深い蒼色をしている。身長は160cmくらいだろうと思う。服装はムネトノさんとは逆に白を基調とした服装だ。
「次期宰相候補って事は他にも候補が何名かいるって事ですよね?」
〈そうです、クルスさんも同じ次期宰相候補ですね。グリスさんは次期近衛団長候補の1人ですよ〉
「へぇー、クルスさんも宰相候補なんですね。グリスは近衛団長候補だったのか……」
〈あれ?言ってなかったか?まぁ、そう言う事だ〉
「ダンジョンの事もあるし、説明しなくてもいっかって思っただけだろ?」
〈どうだろうな?〉
惚けても無駄だろ。絶対そうだ。面倒だなって思っんだろ?
そんな感じに女子は女子で、男子は男子で話が盛り上がっていった。
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次回は6月20日を予定しています。
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