第75話 きっとそれだ

「じゃあ見せるね、頭の中に流れてくるから」


そう言ってから数秒後、頭の中に映像が流れ込んできた。


これは公小国(俺は公国って言ってる)近くの森に転移してきた所か。確かに殺気だってるな、全員殺してしまおうって考えてたからな。


そっから国に入って手分けしながら妃芽達を探し始めて、誠達が地下に入って出てきたと思ったらボロボロになってたんだよな。急いで王城に転移させたんだ。誠がやられるのは想定外だったな。


地下を後回しにして中央の塔を目指して行ったんだったか。転移する入口をいくつも入って最上階に辿り着いたらそこに妃芽がいたんだ。何をされたのかはっきりと分かる状態でいたんだ。


勘崎が皆を転移で連れて帰ってなかったら俺のせいで皆倒れる所だった。結局、念話石を通して倒れた奴はいたが……まぁ、王城内だから良しとしよう。


最上階に居た奴らを倒して、逃げた奴にはマークをつけといたんだったな。そういえば、マーク付けた奴は死んだみたいだ。ちゃんと仲間を巻き込んでくれたかな?藍那が【選択する罪ジャッジメントシン】をかけてくれたから、死なない奴は死なないから巻き込まれて死んでいないなら赦そう。


えっと?そうだ、常世と常闇、さらに常闇残滓の違いを思い出したんだった。その後は国の半分近くの人を斬りまくったんだ。楽しかった。違った。俺はそんな人斬り大好き!ではない。


魔法やら自身の肉体を使って動いている奴もいたな。おっさん強かったな、そういえば。化け物って言われたけど誤解解けたかな?と思ったけど今の俺見ても化け物とは言わないか。いや、似てるとは言うかもしれないが。それならいや?誰ですか?それ?で誤魔化せるだろう。嘘を見抜くとかそんな能力が無ければ。


おっさんと戦って少しして地下にいく事にしたな。ステータス確認して準備して入口みつけて入ったんだ。


通路がなかなか面倒だったな。急に曲がる所あるわ、上下行くわ、大変だった。で、塔で見たような転移する入口があったから中へ入ったんだ。そしたら槍使いの男と女が居た。


戦闘して勝ったけど、情報はほとんど無かった。アレは少しイラついたな、情報持っとけよって。


仕方ないから更に奥に進んだら待ち構えていた奴らがいたから話し合いをの試みたんだった。結局戦闘になったけど、めっちゃキツかった。竜とか召喚して来たしな、やっと勝ったと思ったら人間少ししかいないし、地上の常世解けるし最悪たったな。


地下で資料探しした後は孤子佳と小晴を呼んで地下を封印。2人を王城に帰した後にまた塔を目指して木々を蹴って向かったな。


塔についてからしばらく1人で探してたけど、大変だからヘルプを呼んだな。ヘルプ助かった。ありがとう。


そして、最後に妃芽を見つけた部屋に戻って来たら公国の偉い人であろう者達が半分以上死んでたんだ。で、机にあった資料をあらかた送って暇を潰して念話で蘇生が無理かもって言われた。ここからだな、記憶が無いのは。


あー、確かに見えなくい。でもこの暗くなって赤い物が出てくるって事はやっぱり常世だな。


それから塔を出て?これが知夢が言ってたら場面か、確かに光っている何かが大量に動いてるな。なんだこれ?俺も分からん。忘れているだけかもしれないが今は分からん。


そこで脳内の映像が切れた。


「うーん、常世くらいしか分からなかった」


「えー?アレやったのゆーちゃんでしょ?」


「むしろ神夜君じゃなかったら驚愕する」


「忘れているだけかもしれない」


「「きっとそれだ」」


即答しないでくれ、物忘れの激しい人みたいに見えるから!

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