第73話 どんな夢?

カコン


大司は先に行くようだ。扉を開けて外に向かって行った。


大司とは別れ孤子佳が合流し怪我人部屋へ行った後物作りチームの誰かに会うために鍛治工房の部屋周辺に行く事になった。


その後は部屋に戻ってのんびりだな。


「じゃあ、俺らも行くか」


「「「いってらー」」」


大部屋にいる暇人達が見送ってくれる。


「行ってくる」


「行ってくるね!」


「行ってくるわ」


カコン


「怪我人部屋って何処にあるんだ?」


「えーと確か1個下の2回だったかな」


「なら向かうか」


他愛ない会話をしながら廊下を歩き、階段を降り怪我人部屋へと辿り着いた。


カコン


「元気かい?怪我人共」


部屋に入った瞬間に見えた包帯だらけの奴が見えた瞬間そう声をかける。


すると声だけは元気そうな奴が返事をした。


「怪我人が元気そうに見えるのかよ」


「元気な声ではあるな、安心したよ」


誠が身体を起こしながら言う。


「貴方向こうでどんなに暴れたのよ」


ムスッとした顔で話しかけてきたのは最罰者の藍那だ。


え、何か知ってるのか?まぁ、とりあえず


「藍那、小晴に用事あるんだろ?俺は知夢に用がある」


「何、私?忙しんだけど?」


「おい、勇者である友人に言う言葉はもう無いのか?」


「ちょっと人が質問してるのに!もういいわよ、後で」


そういうと小晴を連れて隣の部屋へと移動していった。


「いや、俺途中の記憶が無くてさ。知夢に聞いたらなんか分かるかもって孤子佳が言ったから来てみた」


「私が連れてきた」


「ふーん、もう少し待ってて。まだ終わってないから」


どうやら夢を使って何が起きたか情報を集めているみたいだ。


「りょかー、待ってる」


「分かったー」


待つこと15分……全然少しじゃない……。


「なぁ、孤子佳」


「何?ゆーちゃん」


「後何分待つと思う?先に工房部屋行った方が良かったのか」


「物作りチームにはどうせ怒られるはずだから長くなるだろうし、どっちもどっちだと思うよ?」


「確かにそうだな」


刀用意して貰ったのにもうボロボロだもんな。


「おまたせ、早速だけど寝てもらうから。ベッド無いから孤子佳ちゃんに膝枕してもらいなさい」


「え、隣の部屋とかベッド開いてる所とかに行けば良くね?」


お、ちょっ!


ガバッと頭を孤子佳に掴まれ太ももへと移動させられた。


「急にやるのは辞めてくれ」


「ごめんなさい。でも気持ちいいでしょ?」


「そうだな」


健康な女子高校生の膝枕とか気持ちいいに決まっている。すべすべで気持ちいい。


「はい、じゃおやすみ」


そして唐突に知夢に眠らされた。


「どのくらいかかるんだっけ?」


「情報量による感じだね。後は色んな夢が他に邪魔してくると時間がかかるかな」


「今のところゆーちゃんはどう?」


「邪魔な夢が多過ぎてイラつく」


「どんな夢?」


「それ言ってたら数時間かかるからダメ。今回は公小国で起きた事だけ集めていくから」


「はーい」


少し残念そうに返事をする孤子佳。右手は神夜の頭を優しく撫でている。心做しか神夜も気持ちよさそうだ。


「ほんとどんだけ夢出すのよ!」


退けても退けても次の夢が来てイラつく知夢であった。



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次は5月19日に更新の予定です

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