第68話 side 交奏連邦

人物紹介、神夜単独行動時の魔国城内の出来事など時間がある時に書き上げ投稿する予定です。



side 交奏連邦


交奏連邦特務武館内会議室


〈被検体が3人だけしか捕まらなかったそうだ、そしてそのうちの1人にしか使えていないと言う。どう言う事だ?〉


何かの会議をしているのだろうか、音楽と武器をあしらう軍服を着ている高年の男性が怒ったように誰かを問い詰めている。


〈何?計画をちゃんと見て予定通りに動けと言ったはずだが?そんなことすら出来ないのか?〉


それに追随するかのように苛立ちながら問い詰める比較的若い男。


〈ほんと、使えない連中ね。貴方が代わりに死ぬ?〉


更にキツいことを言い出す、こちらも比較的に若い女性。それを聞いて他の3人の男女も口を開け始めた。


〈しょうがないじゃない。誰でも失敗はあるものよ、少しは落ち着いて会話は出来ないの?爺さんとヒヨっ子達〉


宥めるように、喧嘩を売るようにゆったりと話ているのは高年の女性。


〈そうだよ、そんなんだから失敗するんだろ?落ち着いて行動出来ない奴なんか要らないから辞めたら?俺が上に行くよ〉


中年の男性がそう言う。あまり他の人と仲がいいわけではないようだ。


「ちょっと、全員黙って貰えます?進まなくなるでしょ。そんなグダグダ言い争うするなら全員出ていって、私が私達が処理する」


その中に1人高校生くらいの女性が混じっていた。どうやらこの国に召喚された内の1人のようだ。顔立ちも日本人らしい顔つきだ。


〈しょうがないでスね、結構な人数で取り戻しに来たのでスから〉


責められていた白衣の男が会話を破って口を出す。


〈全員質がよすぎでスね、全員が戦闘慣れしていそうだったでスね〉


〈言い訳にしか聴こえんぞ、そもそも助けに来るのが早すぎる。何故しっかり転移先を隠していなかった〉


「何?私達が渡したアイテムのせいだって言うの?代わりも見つけてこれなかった人達がよく言う」


どうやらここにいる7人は妃芽達3人を転移で攫い実験に使うという行動を起こした者達のようだ。


実験が出来たのは1人で後の2人は仕込みしか出来ずに終わっていたのでそれについての問題。更に全員持っていかれたと言う問題。グラインド公小国に持っていった資料が回収出来ていないと言う問題。


それをどうするかを決める為に行われた会議のようだ。情報元は白衣の男と逃げ帰って来た召喚した男からとなっている。


「ああ、忘れていたけど向こうにいる捨て駒達は全滅したみたいよ。あっちの上の人達もやられたって聞いた」


〈どうするのよ!戦争吹っ掛けたみたいになるじゃない!責任取りなさいよ!〉


そんな事を長時間会議していると、遠くから段々と地響きのような音が聞こえてきた。


バタン!


そして急に会議室のドアが開かれた。現れたのは軍服を纏っている男、情報担当なのか軍が使用する通信機器を何台か腰に付けていた。


〈失礼します!緊急の通信が入りました!現在交奏連邦に向かって地面を裂きながら何かが向かって来ているようです!〉


〈何?すぐに防御に移れ〉


〈移っています!しかし、個人の防御を重ねても突破され続けています!軍の防御システムの使用許可をお願いします!〉


〈とんだ体たらくじゃないか、やっぱ俺が上の方が良かったな〉


〈貴方の能力じゃ無理よ〉


〈うるさいぞ、全員行動に移せ。軍の防御システムの使用を許可する。儂は防御システムの操作を手伝う。そなたらでどんなものか見てこい〉


文句を言いながらそれぞれの行動を行う、するともう肉眼で見える程の場所に地面を裂きながら来ているものが見えた。


〈ちょっと何あれ!?進行する場所にあるもの全部裂いて来てるじゃない!ちゃんと防御しなさいよ!〉


慌ただしく動き始める軍の内部、ようやく事の大きさに気付いたようだ。近付くにつれて分かっていく向かって来ているものの大きさは見たものを驚愕させるだろう。


縦は1キロ程、横幅は500メートルの斬撃のようなものは近付くにつれて煌びやかになりながら速さが上がっていく。後ろにあるのは裂けた地面、そして……黒いモヤ。


一方防御システム起動、制御場所では数十人の軍服を着た者達が忙しなく動いていた。


〈早くしろ!安全確認はどうだ!〉


〈問題無く動きます!〉


〈よし!制御システムはどうだ!〉


〈問題、見渡りません!〉


〈よし!では起動させろ!魔力供給開始!〉


指揮をしていた高年の男性もそれまで作業をしていた数十人の者達から黄色にオーラが出たと思うとすぐさま部屋の中央へと流れていく。


『システム起動。防御を起動させます。3・2・1・0……起動しました』



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side交奏連邦はもう少し続きます

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