第69話 side交奏連邦 続
地響きが聞こえ始めた頃、ある大部屋では
「なんか音しない?地震でも起こる?」
「何言ってるの、そんなの聞こえ……聞こえるわね」
「わねwwwえ、何?口調変えるの?面白からいいけど」
「あんたいっつもうるさい!その口開かないようにしてやろうか!」
「うや!元に戻った!」
「静かに、何かが近付いて来てるかもね。どんどん音が大きくなって来てる。外に出て見よう」
ここはどうやら、この国召喚された者達が使っている大部屋だったようだ。壁にはそれぞれの戦闘服がかかっている。それに触ると不思議な事に戦闘服に服がチェンジする。一瞬、ほんの一瞬だけだか身体のプロポーションが写るのだかいいのだろうか?全員得しているからいいのだろうか?分からない。
戦闘服にチェンジして部屋を出て出入口を目指す。出入口と言っても普通のドアでは無くワープポイントの事だ。
ワープをして軍の施設へと行き、そこから外に出ると……
「なんだアレ!?ヤバいじゃん!」
「騒ぐな、さっさと止めるぞ」
「OK、リーダー!みんな〜やるよ〜!」
「コード機械 フェーズ3!停滞する機械!」
「コード龍 フェーズ2 風龍」
「コード 植物、フェーズ4 延びる群小」
それぞれ迫り来る斬撃のようなものを止める為にそれぞれ召喚し、止めようと試みる。
ある者は時計を持つ機械を召喚し、周囲の時間を止め時間によるバリアを貼る。
ある者は風龍を召喚し、龍が操る風の力によって空気の層を作り止めようと試みる。
ある者は延びる植物を大量に召喚し、ネットのようなものを作り止めようと試みる。
数十人で協力して止めようと試みるも全てが裂け、そのまま次第に煌びやかに速く向かって来る。
軍人達も魔法や魔道具などを利用して止める、もしくは消そうと試みるてはいるがその全てが虚しく裂け止める事も消すことも出来ずにいた。
すると急に
『システム起動。防御を起動させます。3・2・1・0……起動しました』
と機械音が聞こえた。
すると国を覆うように目の間に黄色の膜が現れた。それは次第に形を変え目の前の斬撃より少し大きいサイズになると形を変えるのを止めた。
「これは……軍がやった事か。あれが防げないとここも危ない。念の為に作っておいたワープを使おう。皆、行こう」
「OK、リーダー!国の外に出れるワープね!森の中だから嫌なんだけどしょうがない!皆!行こ!」
リーダーは声が小さいので、それを補助する女の子が近くにいるようだ。何故リーダーを務めているのだろうか?まぁ、声が小さい以外に悪い点がないのかもしれない。
そうして召喚された者達が全員ワープで避難中に会議に出ていた女の子も皆に続くようにワープの中へと入って行った。ただ1人を除いて……。
数十秒後、斬撃は防御システムに直撃寸前まで来ていた。
念の為に数百人が斬撃の通過予想地点に残っていたがそれ以外の者達はもう防いだと言わんばかりに日常に戻っていた。
〈ふう、久々に防御システムを起動させたがちゃんと機能したな〉
〈また会議するき?もう私シャワー浴びたいんだけどー〉
再び会議室に集まった者達は人数が足りていない事に気が付く。
〈あら、研究者とあの女の子は何処に行ったの?〉
〈なんで俺に聞くんだよ、どうせ怖くて皆の所に行っただろ〉
〈それにしても遅いわね、それよりもあの男が来ない方が問題よ〉
そんな事を言っていると突如大きな衝突音が辺りに響いた。
ガァァァァァァン!
どうやら斬撃とバリアが衝突した様だ。
そしてその音が5秒程響いた瞬間
バリィン!
と何かが割れたような音がした。
〈緊急!緊急!対象止まらず!国に当たります!総員各自で防御を固めよ!〉
それは日常に戻っていた軍人達にとっては驚くべき事だった。国が発動した防御システムはこれまでも何回か使用されているがそれ全てで完全に防いだと記録されているのだ。国どころか他の国まで被害が出ると言われた巨大隕石を止め、伝説の魔物の攻撃を10撃受けても防ぎきったものがこの国に向かっている斬撃のようなものに破られるとは誰も思ってもいなかった。
バリアが止めていた5秒も速度を煌びやかさを上げていた斬撃はバリアを破るとすぐさま国を裂きその国を闇で覆った。
悲鳴を上げる時間すら無く、突如生き辛くなり倒れる人々。その後には出張してきた妖達が暴れ始めた。妖が出てきた場所は逃げ帰ったてきた男を起点にしていたようだ。
通信、ワープなどで繋がっている場所にも影響が現れた。
「!?なんだ急に身体が重く……。皆!」
バタバタと仲間が倒れていく中、リーダーと呼ばれている者はワープ先からの異質さを感じ取ったようだ。倒れる寸前にワープを閉じそのまま倒れ込んでしまった。
1時間後闇は晴れた。残ったのは綺麗に裂けた地面と所々破壊された建物だった。人も多く死んだ。それ以上に問題だったのは裂けた地面の中に化け物がいる事であった。
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