第67話 逃げた者
1万語を超えました。そしてPVも1000を突破しました。ありがとうございます。これからもよろしくお願いします
side 逃げた者
「名乗れ、お前ら」
〈人に名前を聴く時は自分からと習いませんでしたか?〉
「その名乗りが命取りかもしれないのに先に名乗る訳が無いだろ?俺らがなんでこの国に来たか分かるだろ?」
〈なら我らも名乗るのを辞めましょう〉
神夜達が塔の最上階へと辿り着き、会話をしていた時逃げた者はこう思っていた。
(誰か来たな、ああ、あの3人の仲間か。見た所こっちの方が強そうだな)
「影葉落・一閃」
(おわっ!危な!やば、なんだこの技。当たったらやばいな。というかあいつらの戦闘慣れし過ぎじゃないか?)
「強化」 「反転」
(おいおい、そんなのありかよ。あのおっさん結構強い方だったのに、これは引いた方がいいな)
「瞬蜃」
(うわぁー、全滅したよ。逃げよ、逃げよ。追いかけて……は来ないな、ラッキー)
神夜達が公国へ入ってきた方とは真逆の方向へと走って行く。
「おかしいな、こっちの方が強いはずなのになぁ。あいつらそんな戦闘ばっかしてるのか?使い捨てにされるからかぁ、流石魔国。怖い、怖い。全員もう助からないから全員殺るしかなさそう」
走りながら目指しているのは自分達を召喚した国、交奏連邦へのワープポイント地点。
地下にいる者達とは違い中級上位の力を持っているので使い捨てされるはずも無く、主戦力として身を置いている。現在は話に乗り、手を組んだグラインド公小国へと足を運び会議をしていた。
その最中に神夜達から襲撃を喰らい、この国のお偉いおっさん達を生贄にして逃走している。
「もう戦闘慣れしているのはやばいかもなぁ、伝えないとなぁ。まあまあこの国デカいんだよなぁ。まだ端まで距離ある。面倒だなぁ」
追っ手が来ない事をいい事に独り言を呟きながら走っていると、ある事に気が付いた。
「こんなカッコイイマークあったかなぁ?」
左手首より少し身体よりにギザギザの歯のようなマークがぐるりと1周刻まれていた。
特に痛い訳も無く、痒い訳もなく。走りながらバッグから取り出した簡単な鑑定アイテムで見てみると
シルシ 特に意味は無い
と表示された。
「シルシ?向こうで皆がまたなんかしたのかなぁ?仲間のシルシを全員に付けたって事かなぁ?まぁ、帰って聞いてみればいいかぁ」
そんな事をしているとようやくこの国の端が近付いて来たので、持っていた鑑定アイテムをバッグに入れ直して必要な物を取り出し国の端にある衛兵所の入口へと走っていく。
門を通ろうとすると必ず数回質問をされるので、それを無くすために発行して貰ったカードを手に持ち1度止まって門番役の衛兵へと見せる。
〈どうぞ、お通り下さい〉
すぐさま中へ入る許可が出たので中へ入り、目の前にある階段を上がって2階にある衛兵基地長の執務室へとノック無しで入る。
〈ノックして入れと言ってるだろ。若造が〉
「そんな事よりワープさせて貰うねぇ、ばいばーい」
小言を言われたが無視し、すぐさま左奥にあるワープポイントへと入り起動させる。
〈はぁ、馬鹿造と呼ぶ事にするか〉
ワープの最中に馬鹿にした呼び方をしようとしている様な声が聞こえたが無視する。今はとりあえず帰ることが1番。
「よーし、帰って来たぁ。えーと、皆がいる部屋へのワープは……これだぁ、よし。」
交奏連邦には帰ってきたが今ワープしてきたのは連邦軍の建物の中、もう1回ワープをしないと皆の場所には帰れないのでワープをする。
「帰ってきたよぉ」
「「「「「お疲れ様〜」」」」」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます