第66話 妃芽達の蘇生は無理かもしれない
本音を言えば早く帰って休みたいが、もし解読が出来て今いるこの国でまだしなければならない事があった場合はとても面倒だ。それも急を要する場合だと更に面倒だ。
早く帰って休みたいとは思うが俺らを喚んだ魔国が本当にいい国なのか分からなくなった。1度はいい国だと認めた国だ、疑いたくはない。しかし、裏切りなんてどの世界、どこの時代だろうとある事だ。俺が前世で家族を主を失ったように。
もちろん、敵の言葉だ。と一蹴する事も出来る。あいつらのゲームの中での話だとも思える。考えれば考える程考えは増えていく、何個かの考えが1つに纏まろうと未来を考えたら減る事は無い。ただ増えるだけだ。
一旦思考を止め、瞑想兼睡眠を行う。場所はどこでもいい、己を向き合えるなら。ただ危機感だけは動かし続けろ、先手が取られてもすぐ反撃出来るように構えろ。
「ふぅ〜、は〜、ふぅ〜〜、は〜〜」
呼吸は大事だ。意識した呼吸と無意識の呼吸は全くもって別物だ。精神を、身体を休める呼吸をすると思い息を吸って吐く。
そんな瞑想兼睡眠をして待っているとメッセージが届いた。
この世界はおかしい!これは別の世界の言語だ!その別の世界の言語3つが合成されたものがこの資料に書いてあった!後で全部口で説明する!でもこれだけは先に言っとくぞ!今回は交奏連邦って国が起こした事だ、そして妃芽達の蘇生は無理かもしれない。
最後の一言だけ妙に冷静なメッセージで送られてきた言葉は神夜に言葉だけでは無く何を伝えようとしたのだろうか。
前を見ろ?後ろを振り向くな?受け止めろ?精神を保て?そんなものは今どうだっていい。
突如また世界が暗転した。神夜達が動いたのは朝だったか、昼だったのかもう夜になる時間だったのだろうか。神夜自身どのくらいの時間が過ぎたのか分かっていない。
ただ暗くなった瞬間に見てたのは綺麗な彼岸花だった。
同時刻より数分前、公国内では1部の者達が動き出して居た。逃げる為に。生きる為に。あの暗闇は駄目だともう分かっていた。身体は動かず、少しずつ死に近付いているような感覚が有りとても不気味だったからだ。
動き出せたのは罪が無い真っ白な生活をしていた者達や無理矢理動いた強者のみ。知り合いも運んで逃げようと頑張って居た。故にそれが仇となった。
おかしな話だ。少し罪を犯していればこんなもの見なくて済んだなんて。善人も善人の人達はこの世界で最初にある景色を見てしまった。最初より酷い景色を目に焼き付けてしまった。強者も同じものをみた、自分が強い故に更なる恐怖と絶望を見てしまった。
世界が暗転した訳では無い。また神夜の常世が出現したに過ぎない。神夜に意識は無い、しかし動いている。およそ人間とは思えない姿をしながら、妖が蔓延る常世を動いている。
死人を貪る餓鬼、動かない人間で遊ぶ猿鬼、暗闇を照らす鬼火、その他大勢の妖。
餓鬼は食べ、猿鬼は人を投げて遊び、それを分かるように照らす鬼火それを1部の人間は見てしまった。もう忘れる事なんて出来るはずもない地獄を見てしまった。
「どぉぉぉぉちぃぃぃぃだぁぁあぁ?」
到底神夜とは思えない声を発しながら、人間とは思えない姿になりながら探しものをしていた。
探しているのは、今回の元凶交奏連邦、その位置だ。
「あぁぁあちぃぃだぁあ」
何故分かったのだろうか、誰かに教わってもいないのに何故しっかりと方向があっているのだろうか?分からないが唐突に刀を取り、振り上げ
「
振り下げながら技名を叫んだ。さっきまでの話方とは違い神夜が言ったような声で刀を振った。
次の瞬間、地面を裂きながら斬撃が真っ直ぐに飛んでいく。そしてそれを補佐するかのように、威力を上げるかのように突如出現した大きな土の塊は腕を上げ思い切り地面を叩いた。
混ざりあった斬撃は山を森を地面を湖を裂きながら交奏連邦へと届いた。
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