第64話 ただの石を送るな!

63話からストックが無くなったので更新速度が1日1話から2日に1話になるかも知れません。これからもよろしくお願いします。



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小晴と孤子佳が転移した事を確認してからこの国の中央にあった塔へと向かっていた。


「まあまあでかいなこの森、走るより木蹴った方が早いか」


地面を蹴って走っていたが木の幹を蹴りながら前に行った方が早いかと思い幹を蹴って地面と身体を地面と平行にして前へと進んでいく。


当然障害物はあるので避けつつ行かないといけないが、地面を走っていても同じなのでそこは別に気にしない。ただ速度は木の幹を蹴った方が速い、そして楽しい。


木の幹を足場にして走る事数分、ようやく森を抜ける事が出来た。


森を抜ける瞬間に近くにあった木を蹴り街へと向かう。もちろん、もう木がないので地面に脚をつける。身体が90度くらい曲がった状態で地面を削る事になるが体幹がしっかりと有り、筋肉もあれば顔から地面に倒れる事無く進む事ができる。脚がついて倒れるのを防いだら今度は普通に走って行く。


「ふぅ、最後楽しいけどなんかに躓いて転けたら痛いだろうなぁ。孤子佳にはやらせない方がいいかもな」


孤子佳にやらせたら最後に転けて回復ポーションを使う事になりそうだから駄目だな。


「街が近付いて来たけど動いている気配は無いな。まだ倒れたまんまか?」


それか動ける奴はもう動いて逃げたので動けないやつが残ったなのかもしれないが一旦置いておこう。塔へ行く事が今は優先。


もし向かって来る敵がいたら迎え撃つまでだ。そろそろ街に入るので屋根を足場にして行こう。道は倒れている人間が多すぎる、別に全速力で踏みつけても今生きている人間は死なないが道で倒れていたら避けるのにも、踏みつけて行くにも普通に走るより疲れるからな。キャタピラ走行みたいな事が出来たら迷わず道をそのまま走る。


屋根に上り走りながら辺りを見回たすと家の玄関扉が綺麗になくなっている家達が右側に、残っている家達は左側にある事が分かった。つまり、あの森は国の左側に位置していたと分かる。


「ちょうど地下に行くかって思った場所に出たのか、今のいる場所から右に行ったら最初に転移してきた森か」


特に今地形を把握、場所を把握しなくてもいいが前世では大切な事だったので無意識にしているようだ。


屋根を走り、塔へと着くとまずは気配を探るために感覚を研ぎ済ませる。


どうやら動いている人間はいない様だ。


「今のうちに漁るか」


そしてまた鑑定品が沢山出ると思われるためにメッセージを送る。また鑑定頼んだ、数が 未定。


すぐに返信が来る。疲れた!ちょっと待て!と来るが準備しろと言わんばかりに適当に落ちてた石を送る。数秒後、ただの石を送るな!と怒りのメッセージが届く。鑑定はしてくれる様なので急いで塔の内部へと入る。


そこからが大変だった。何故なら部屋がどのくらいあるかも分からない。下から漁っていくかなどと考えていても転移する場所があるので途中からもう行った場所に目印付けて適当に回ろうと思い、回って行くと怪しげな部屋に辿り着いた。


「なんだこの部屋、あからさまに怪しい扉だろ。しかも、押しても開かない。引きたいが手をかける場所が無い。なんかスイッチがあるとかか?」


大部分の部屋を巡り、物を鑑定送りにしたが鍵になりそうな物は無かった。一応メッセージで聞いてみたが返信は当然鍵みたいな物なんて無かったぞ?だった。


そうなるとどうしようも無いので、最後に妃芽を助けた部屋を目指す。ちなみにこの塔はダミーの部屋なのか作りすぎて用途がなかったのか空き部屋が沢山あった。流石に1人で回っていたら時間が物凄くかかるので途中から応援を呼んだ。


応援と言っても誰かに来てもらうのでは無く、分身を出せる石海せっかいに手伝いを頼んで分身を数十体送り込んで貰った。もちろん小晴の強化付き。


ただ小晴に魔力を沢山使ったから帰れって言ったのにまた使わせるなんて酷いわ。埋め合わせ宜しくねと言われたので後で何をするか決めなくてはならない……。


大体1人で塔に入って1時間近く探 漁り、応援を呼んで1時間でラスト1部屋となった。現在2時間漁りまくっていたのでもうそろそろ疲れているが、ラストの妃芽が居た部屋に着いたのでここを漁ったら帰るとしよう。






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