第62話 その首貰うぞ

取り敢えず、敵はは全員倒した。今ここにいる奴らしか居ないとは考えにくい……まさかあいつらの半数が召喚生物が人間の姿をしたものだとは思わなかった。


つまりこいつらがやっていたVRゲームの真骨頂は召喚レベルを上げ召喚生物の人間を召喚し、その偽人間が更に召喚をすると言うのが正解か?いや、コードの後に獣やら龍など言っていたな?別々のスキルツリーなのか?それならばあの槍使いは……どんな意図で槍使いになっていたんだ?何か利点があるはずだが……情報が少な過ぎるな、妄想をする段階ではまだないはずだ。


とりあえず、死んだ奴から記憶を見せてもらうとしよう。近付いてアムリタを吸収する。


「何も情報が無い?まさかこいつらも捨て駒か?」


いや、捨て駒が多過ぎる。もしくは本当に捨て駒でそれ以外のやつがそのゲームの上位プレイヤーだったら下位プレイヤーらしきこいつらは捨て駒になるのか。下位プレイヤーが龍を召喚出来るものなのか?クソ、龍を召喚したやつが人間か偽人間か見ておけば良かった!


一斉に召喚したのはそれが狙いだったのか?いや、ただ単に戦闘開始だからか。


そして記憶からではなく、今いる戦闘跡で分かった事がある。


「気絶、又は死ぬと召喚生物は消滅する。だが明らかに召喚生物の偽人間のはずなのに本当の人間のように倒れている奴もいる」


実は常世にした時に明確な差があった。常世なった瞬間即倒れたのは人間で、オーラみたいなのを身体から出ていたのが偽人間だろう。でもこの判別方法は人間が弱いから出来たんだろうな。


と、なるともしや?地上でちょっと戦ったあのおっさんはオーラみたいなのを身体に実は纏わせていたのか?だから動けたのか?これもは検証しておかないといけないな。常闇なら使用許可出るだろ、多分。ダメなら残滓使えばいいや。


ん?そういえばこの偽人間出してる奴らには常世のデバフ届いていないのか?念話をしている時ですら常世の中に俺がいると向こうでも何かが起きるようだからな、そうなると考えられることが複数あるな。


まず、今残っている偽人間を召喚したやつは気絶状態では無いと言う事になる。常世の気配を感じたはずなのにだ。


他は単純に俺より相手が強過ぎるから耐えれた、死に関する耐性を持ってる、完璧の召喚なのか分からんが召喚した者と召喚された奴の間に繋がりが無いとかか?


待てよ?この召喚生物を目としているのかもしれない。そうなると今の戦闘などが全て筒抜けだ。


思い立ったが即行動、召喚生物である偽人間にトドメを刺す。


「おっそ」


「な!?」


瞬歩で移動したのでそれなりの速さなはずだ、そして遅いとは俺の瞬歩が遅いのか……又は俺の考え付くのが遅かったのかだ……。消えていく偽人間達、消える前に言っておくべき言葉は……


「その首貰うぞ」


間違えたっ!何も言わずに消えていった……クソ、地上に出てあの塔の中を調べるか。あ、その前に生きている者がいるか確認だ、そして記憶も少し見れるはずだ。誰一人として死んでないと言う事は無いだろう。


「気絶は………一人か」


まさかの人間であった奴らの中で一人しか気絶してないとは……という事は洗脳されているかもしれないという事を差し引いたとしても死に値する事をしたと言う事か……クズが。まぁ、俺にした事を日常的にやってたんだろうな。


さっき回収した奴ではない死んでいる者のそばによりアムリタを吸収する。そういえばアムリタの呼び名は人によっては残量気力や過去の雫とかまちまちだな、取り敢えず吸収する。


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敵の奴の記憶(過去)


「はぁ、なんで俺らクラス全員でゲームしないといけないんだよ。頭がいい奴らはすぐ慣れて強くなりやがる。陰キャのクソ共の中からは上位クラスのやつまででてくるし……」


「俺らみたいな奴らは現実でも仮想世界でも中途半端な弱者かよ……俺らが勝てる奴って言ったら頭が悪い奴らの中でゲームすら出来ない奴らだけじゃん……つか現実でもここでもバカなんだな」


「なに当たり前の事言ってるの、現実ですら考えないやつがここで考えれるはず無いでしょ」


「でもあの陰キャ代表みたいなアイツは強えぜ?」


「アイツは現実でもゲームの戦略とか考えてたからあんな成績低いんだろ?事実さっきもキレのある指示出てたしな、ムカつくけど」


「行こうぜ、そろそろ集合の時間だろ」


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「これこの世界来る前の情報じゃね?しかも会話だけって何の役にも立たない」


せめてこの世界に来た時の記憶置いて死ねよと思った神夜であった。そして急いで一通りあった物を回収して地上に向かう。

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