第52話 常世に覆われた国・弍

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「後半分と地下か……もう半分の所にちょっと強いやつ居るなー、地下はなんでこんな人が居るんだ?」


この国の半分を周りながら半分の人を斬り捨て、遂に地下へと行くべきか迷う始めた神夜。


ん?やり過ぎ?……大丈夫、大丈夫、死んだ奴は少ないと思う。死んだら自業自得と言う訳だ。


「ん?ッぶね!」


ガキン!ズザー……


〈なんだ貴様、これは貴様のせいか!化け物め!〉


「あぁ!?誰が化け物だ!」


〈誰がどう見ても化け物としか見えんわ!〉


急に瞬間移動の様な速さで斬りかかって来たおっさんが一人、どうやら太刀使いのようだ。まさかの下からの切上げで攻撃をして来た。上から切り下げの方が威力が出ると思うんだがな。


その攻撃を刀でガードした神夜は浮き上がり少し後方に飛ばされた。


化け物としか見えない……それは神夜も同じく思っている事だ。この世界を展開した自分ならまだしも常人がこんなに強く踏み込み強烈な切上げをしてくるとは思わないだろう。と言うか常人じゃないから動けているのだろう。


〈人の気配が次々と薄なってる原因は貴様のせいだな?!〉


この場面、現時点での神夜の姿について話そう。


まずは眼だ、いつもは日本人のオッドアイと呼ばれそうな、いや呼ばれていたが黒と茶色のオッドアイだ。右が黒、左が茶色の眼をしている。


しかし今はその左右それぞれ真ん中から内側の眼が綺麗で怪しく光る紫色へと変化している。それにつられるように黒と茶色の部分も光っている。そして雰囲気には人間と死者ともう一つ、よく分からない気配が混ざった状態になっており、移り変わりながな後ろでは薄く尻尾が見えたり額には角が見えたりとしている。



「なんも知らねぇ奴はさっさと寝るか死ね!」


そう言いながら右上から左下へと刀を振り、切り返して左下から右上へと刀を振る。敵のおっさんはそれを上手く左右に流し耐えた。


そしておっさんが反撃をしようとしたその時、おっさんは倒れ込んでしまった。


〈くっ、身体が動かん……なんなのだこの世界は……〉


「悪いな、おっさんここは俺のフィールドだ。俺もいつもよりは気力や体力が回復しずらくはなるが他の奴ほどでは無いからな、あんたに罪が無ければ寝るだけだ。それじゃあなっ!」


念には念を……と言う事でおっさんを右脚で背中を踏んで抑え込みながら首をめがけて刀を振る。脚で抑えたのは倒れたのは罠で動き出し攻撃を仕掛けてくるかもしれないと思もったからだ。しかし、どうやら杞憂だった様だ。本当にも動く事が出来なかったのだろう、何事も無く首を斬ることが出来た。


「普通に戦ってたらこのおっさんの方がまだ強かったかなー、まだまだ強くならないといけないな」


神夜がそうであると言うことは他のメンバーは絶対では無いが勝てない方が高いと言うことになる……現時点ではの話だが。


どうやら数人動いて居たはずだが全員動き過ぎたのか誰一人として今歩いて居る人はいなかった、地上では……。


どうやら地下に居る人と呼べるか分からないがそこに居る者達はさっき戦ったおっさんより強いか、または人間じゃないと言う可能性がある。


小鳥が異形になりかけていたのは地下だったと聞いたのでその可能性の方が高いのかもしれない。


「さて、地上はとりあえず終わりかな。さっさと地下に行くか」


そうして地下へと続く道を探す神夜。


「……確か道ってちゃんとした所選ばないと行けなかったんだよな……?何処だっけ……?聞こうにも聞けないし……どうしようか……」


前途真っ暗である。常世の中だから。そんな事を思いながら記憶を辿り仲間が私の所に来て!と言っていた場所を思い出しそこへと走って行く神夜であった。

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