第51話 常世に覆われた国・壱
神夜はこの国に居た者達を全員斬る為に走りながら三人を連れ去った者達を探していた。
「村人か旅人か、あー、冒険者とは言わない奴らばかりだな」
そう思いながら十中八九で中央の塔で逃げた奴か地下にいる奴らかだろうなとは思っている。
ここは村ではないから村人とは言わないと思うがそんな小さい事はいいだろう、それを言ってしまったら冒険者とは言わない奴はどうなってしまうんだ。名称すら決まってない。可哀想に……神夜達はどうなのかと言われると完略者と言う名称があるので問題はない。
ちなみに何故無関係だろうと思う村人なども斬って居るかと言うと腹いせやイラつくから斬って行こみたいな感じだ、後は人斬りの感覚を取り戻す為だ。
大丈夫酷くない、だって余程の罪じゃないと死なないから!死んでもそれを犯した奴が悪いよね?もちろん叙情酌量はあるよ?それを判断してるのは藍那の考えが反映されているスキルだから神夜はただ目に付く、目に付いて無くても全員斬れば良い。的な感じで斬っている。
建物の中に居るやつは止まるのが面倒なのと時間が勿体ないと言うことで窓を斬る、扉を斬るなどして押し入り斬り捨て次に向かっている。文字だけ見ると相当やばい奴だと思う。別に何処ぞの勇者みたいに家を漁ってる訳じゃないんだからただ扉が何個か使い物になるだけ。修理も簡単。
ステータスは上がっている。常世を展開した為に死が近くなっているのと何人か殺してるし魔物も殺している為経験値が入ってきたのだろう。なんで国の中に魔物居るんだよと思わなくわ無いがそれは放っておこう。殺したし。
何人か動ける奴はいたが大体がなんだ!誰だ!止まれ!とか言ってるうちに神夜に首を斬られてダウンしている。魔法撃たれても家とか色んな物を盾にすればいいし避ければいいので当たる訳が無い。魔法が使えない奴等など更に悲しい、うぉぉぉお!と身体強化しても早くは動けないからスっと寄られてズバ!っと首を斬られて終わり。何も出来てない。
ドーン!ガラガラ!
「あ?なんだあれ?」
神夜が見た先には動けないなら魔法とか使えば良いよね、それで動けば良いよねと言う考えの奴等が自分の魔法でダメージを受けながら空を飛んでいる所だった。
「風とかは分かるけど爆破で飛んでる奴居るな、アホだな、ダメージ結構受けてるだろうな……」
呆れる……ではなくて本来なら賞賛ものだろう。急にモノクロ世界になって身体全員動けないしほんの少し動いたら疲れて動けなくなると言う異常事態の中でしっかりと考えて行動しているのだから……見てるうちに魔力が切れて気絶や地面などに落ちてダメージ受け過ぎて気絶しているやつが出ているのだからなんとも言えない。
取り敢えず神夜は浮いてる奴はジャンプからの一閃で斬って、落ちた奴や地面に居る奴はスっと近付いてズバ!と斬って行く。さながら音ゲーのようだ……。スっズバ!ズバ!ジャンプ、ズバ、ズバ、ジャンプ!ズバ!ジョブ!ズバ!落ちて、スっズバ!
1回無意味にジョブをかましている気がするがまぁいいだろう。こんだけやってると急に飽きる事もあるだろう。
ジョブを貰った奴は瀕死にはなっているが……まぁいいだろう。気にしたら負けだ。死ぬ事は無さそうだ、多分。
「やっと半分くらいか?結構ステ上がったんだけどなぁ……転移とかも出来ないから逃げられる心配は無いし、逃げたとしても逃げなかった方が良かったと思わせる事すればいいし大丈夫か」
結論から言えば今日この国は滅びることとなった。時間が経ち新たな王が出て来て新しい国が出来るのはまだ先の話……。
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