第49話 3人の恐怖、希望
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side連れ去られた三人
ダンジョンを皆で攻略中の時に転移させられた3人は転移先は何処か、帰れるのかなどを考えていた。
しかし、まずは今いる場所の確認をと辺りを見渡すと何処かの部屋のようで私達三人だけが光に照らされていた。周りは真っ暗だ。
「なんだここは?能力が使えねぇ」
「私も使えない」
私は少しだけ使えるよ、妃芽がそう言いかけた時に暗闇から誰かが話しかけてきた。
〈計画通り転移しました、宜しくでスね〉
聞こえてきたのは男の声、誰かと話しているようには聞こえない。だとしたら随分特徴的な喋り方だ。
独り言を誰かに喋るかのように口にするのか、感知出来ないナニカと話しているのか……それは分からない。
(小声)
「誰か喋ってるな、って事はこの転移は人為的だったのか」
「そうみたいね、一人しかいない?」
「暗いから分かんない、一人ではないと思う」
そう小声で相談していると
〈三人……ですか、おかしいですね?どうなっているんですか?〉
女の声が聞こえてきた、やっぱり一人じゃなかったみたい。と考えていると。
急に声が増えた、人が集まって来たみたい。そして、それに呼応するかの様に緒川と小鳥が暗闇に消えた。
「何すんだ!」
「何すんのよ!」
そこからが地獄だった。拷問に性的な事までされ始めた。更には人体実験までもするようだ。
〈あの国は何人召喚出来ました、言うでスね〉
私は見てるだけだった、さっきまで少し使えていたはずの能力も使えない。それは確実に違和感無くいつの間にかついていた手鎖のせいだと思う。
「辞めて!うごぁ!うぅ、オエッ」
「おい!辞めろ!ふざけんじゃねぇ!」
目の前で犯され、拷問されていく2人。良かった所は2人とも服を盗られていない事、大事な所は2人と露出していないのだけは良かった。この服を改造していなかったらもっと悲惨な事になっていたと思う。
それを見ているとアイテムバッグに何かが送られて来た。それを確認すると頭に声が響いた、物作りチームの一人の声だ。
「今何処にいるか探してる!最悪の場合を考えて蘇生出来るかもしれない様に整えている!助けに行くから頑張れ!」
その言葉は三人に共通する希望だった、助けてくれる。頑張って耐えないとと思った。
でもそう簡単には行かなかった。
「待って!辞めて!」
私はただ見ているだけ、見ることしか出来なかった。能力は使えない動こうと思っても動きを制限されているのか動く事が出来ない。
そして緒川君が殺された、それを見た小鳥ちゃんはパニックになって騒ぎたてていた。そうなった瞬間に私は別の所へと移された。
声を出していたのは声をしっかりと聞いた人だけだった、声がした人数以上の人がいるはずなのにまるで声を出したら死んでしまうかのように喋らずに拷問などをしていた。
「助けて…皆、助けてゆーちゃん……」
2人はまだ軽い方だったみたい、拷問も何もかも……3人の中で私が1番強かったからなのか拷問も手が切られ、足が切られ、目玉の取られた。更に最中に飛んでくる白い液体、臭い。苦しい。笑い声と質問だけが聞こえる、後は自分の身体から出る音が聞こえてくる。
ごめんね、皆。私も無理そう、蘇生出来る事を祈って逝くよ、絶望して死にたくないから、ゆーちゃんが学校で言ってた事が起きないように……。
私が最後まで生き残って居たのは知ってた、緒川君は目の前で殺され、小鳥ちゃんはその後に殺されたみたい、誰かがそう言ってた。
ゆーちゃんと結婚したかったなぁ、温泉行きたかったなぁ。
そう考えている内に妃芽の命は尽きた。
まだ弱いだろうと完略者に手を出したこの者達、仕返しが来る事は想定していなかったのだろうか?それとも、どうせ皆この強さだろうと高を括ったのだろうか?恐ろしい者を敵に回したと言うのに……。
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