第48話 妃芽を助けよう
「名乗れ、お前ら」
〈人に名前を聴く時は自分からと習いませんでしたか?〉
「その名乗りが命取りかもしれないのに先に名乗る訳が無いだろ?俺らがなんでこの国に来たか分かるだろ?」
中央の塔の最上階で妃芽の遺体は四肢を鎖で繋がれ息絶えて居た。大量の白い液体が付いた状態で……。
〈なら我らも名乗るのを辞めましょう〉
そうか、ならば良いだろう。さっさと倒れるが良い、情報なら後で幾らでも絞れる。
「影葉落・一閃」
サークルメンバーの1人眞佐まさの職業は執行者、アサシンとメイジの能力を併せ持つ職だ。
そしてこの眞佐が使った技は影から葉っぱが舞い落ちるフィールドを作り出す。一閃は一瞬だけと言う誓約の元でそのフィールドにいる者を亡き者にすると言うなかなかヤバい技だ。勿論俺達には当たらないし、藍那の最罰者の技【
おっと?何かしらのスキルか技術なのか避けた奴が居るな、と言う事は今の俺達より強いと言う訳か、ならば宜しい!対策法を喰らうが良い。
「強化」 「反転」
小晴と小町の合体技?的な奴だ、避けた奴を大強化を小晴がした後に小町が反転させると大弱体化へと変貌する。その一瞬で俺が抜刀術を行う。
「
ん?逃げた奴が1人居るな、ちゃんとマークはしてあるぞ?仲間の元へ帰るがいい。死のプレゼントを持って……な。
さっさと妃芽を助けよう。
「転移!早く!」
「ごめんな、妃芽。間に合わ無くて……ちゃんと蘇生するからな」
神夜が妃芽に触れた瞬間、妃芽の容貌が一気に変わる。腕も足も無く噛み跡や殴った後、目も片方無くなってそこには白い液体が入っていた。四肢が無いはずなのに妃芽の遺体は鎖に繋がれているようにまだ中に浮いていた。
触れる2秒前に勘崎が叫んだ。神夜が触れる瞬間より早く。勘崎は念話と同時に口にも出した、それは今この場にいる転移能力を持つ者と王城へと既に転移した者の双方に伝えるためである。勘崎が何か命令をしたら考える間は無く行動に移すように……そう訓練して来たのが功を成したのだろう。
神夜の常世が展開された、今までとは比較にならない程強い常世。勘崎の言葉が無ければ自分達は倒れ立ち上がる事が出来なかっただろう。
side王城
王城に居た転移能力者はあらかじめ転移させる予定のある人や者に印を付けておくと自分の場所や安全な場所へと転移させる事が出来る能力だ。神夜と一緒に居た転移能力者は自分が見える範囲の人や者を転移させる事が出来る能力を持つ。
勘崎によりほんの少しだけ、ほんの一瞬だけ常世に入っただけとなったが、それでも被害はあった。動けない、何もする事が出来ない等の症状だ。
物作りチームが神夜の作ったポーションを飲ませて身体にかけている。そうしろと勘崎が念話で伝えたためである。そこから症状は少しずつだが良くなって言った。
「向こうで何が起きたんだ……」
残っていた者達はそう言う事しか出来なかった。
「ん?神夜は?」
「!?居ないぞ!おいッ!なんでお前までダウンしてんだよ!」
印転移の者は印を持った者が常世に入った事により自分にも流れて来たのだと思いながら眠りに付いた。
神夜は帰ってきて居ないが成果は散々だった。
戦闘組は一名を除いてダウン状態。攫われた三人は遺体となり、妃芽はまだ保護出来ていない、緒川の遺体は半分燃やされ、小鳥の遺体は色々な事をされ人間じゃ無くなりかけている。
side???
ふーん?こうなったか……どうなるかなこの世界は。まだ未来は枝分かれしているよ?その中には全部入ってる。勿論ハッピーエンドもね……。
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