第34話 前世の夢

夢だろう、そう思うのは仕方が無い事だ。俺がこの家族と談話するのはもう出来ないのだから、何故なら全員居ないのだから。


「かぐにぃ、もっと会いに来てよ、家に戻って来る間隔は長いのに家にいる間隔は短いのはダメだよぉ」


「かぐは忙しいからしょうがないんだよ、でも確かにもっと帰ってくる間隔は短くて良いと思うぞ兄としては」


確かにな、戻っては来たいがなかなか出来ないんだよ帰省はな。休みの日は多々あったりするが帰省出来る程の時間は無い。


兄と弟が帰って来いと言っても俺一人である程度の戦力が有るからな、抜けると困るんだとよ。でもその代わりに俺も比較的に裕福な暮らしをしているし、家族もそんな暮らしが出来てるんだ。有難いと思わないとな。


「そういえば親父と母さんと姉さんと千代は?」


「久しぶりに帰って来るから豪勢なご飯にするんだって買い出しに行った」


兄は畑に野菜を取りに行って弟は山に山菜とか取りに行った後のようだ。だから2人は家に居るんだな。


金は十分に有るはずだが何かあるといけないからって家族全員働いてるからなぁ、兄と弟は野菜と米を育ててるし、親父と母さんが食事処を営んで姉さんと妹はその手伝いをしてる。


皆顔が整って金も有るから色んな奴から狙われるんじゃないかと思うかも知れないがそれは無いと言っても良い、まず理由の1つ目として俺が家族の一員で有ると言う事、2つ目は狙われるかも知れないからと家族全員がある程度は戦えるようになっている事、3つ目は家族全員が知名度が高く人気がある事、4つ目は俺が仕えている人から安全を保証されている事。


俺はまず強い、大体の奴とは戦える。それが妖怪で有ろうと無かろうとな。家族は素手でも戦えるようになったし、それぞれ得意な武器が違うが使える武器がある。親父と母さんの作った飯が美味しいと評判で尚且つ姉さん達の見た目も中身も良いのでファンと言うか固定客が何人もいる為危害を加えようとすると数の暴力でボコボコにされたりもする。そして俺が仕えている人が安全を保証しているので危害を加えようとすると仕えている人の勢力全員が敵となる。そして近くに護衛と言うかなんというかな人達が住んでる。


だからそんなに心配する事は無い、俺も気配を察知出来るように家族に訓練させたから寝ていても気配を察知出来る様になった。家族全員の訓練を見るのは大変だった…。


改めて安心をして兄と弟と話をしていたら家族の気配がした、帰って来たんだなこれで家族全員が久しぶりに揃った事になる。と言っても家族は親父と母さん、姉さん兄さん、俺、妹、弟の7人家族で俺以外は一緒に住んでるから俺が帰って来れば揃うんだけどな。


「かぐーー!」 「かぐ兄ちゃんーー!」


荷物持ちながら走るな、落ちるだろ。体幹もしっかりしてるから危なげは無いけどなって荷物を投げるな!

投げた荷物を兄と弟が慌ててキャッチする。ナイスキャッチ!


「食材投げたらダメだろ」


食事処で働いてる人が投げたらダメだろ、いや働いて無くてもダメだけど。


「んー!久しぶりかぐ〜」 「おかえりかぐにぃ」


2人ともぎゅうって抱き着くなって言っても聴かないだろうし、そもそもとしてなかなか帰って来ない俺が悪い。とか言うだろうから言わない、されるがままさ。


「2人と一旦離れて家に入るわよ」


「久しぶりに帰って来たなかぐ、元気そうで良かった」


母さんと親父も元気そうだな、良かった。


なら思う事は1つ!


「家でゆっくりしよう」

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