第23話 トップ3から落ちた

「ッ……んぁ?なんで寝て……あぁそうだった」


1番最初に起きたのは神夜、そして……


「ッハッ!皆!あれ?」


次に起きたのは緊張勇者こと明彗誠《あせいまこと》、この2人が起きたのは偶然か必然か……今回の場合は必然なのだろう。


「お前2番な」


「関係ないだろ、そんなの。そんな事よりお前はいつ起きた?」


「緊張勇者様が起きるちょっと前」


「辞めろ、変な呼び方するな。ほぼ起きるタイミング変わってないじゃん。皆起こして起きると思うか?」


「どうだろうなぁ、数人実験台を募るしか無さそうだな、じゃ、お前先生起こしてみてエルボーまでは許可する」


「エルボーはしない。なんで許可を神夜から取らないと行けないんだよ。はぁ、先生!起きて!せんせーい!」


「俺は……うーん、誰を実験台に……よし、大司!起きろ!」


声掛け、揺さぶり、頬っぺをペチペチ、大丈夫ですか!?心臓マッサージを……


「!?辞めろ!辞めろ!何心臓マッサージしようとしてんだ。確かに手順は完璧だろうけど今は違うだろ」


「分かってるよ、ジョーク、ジョーク。それにしても起きないなー息は皆してるから大丈夫だとは思うけど」


「待つしか無いか、見張ってよう」


「そうか、ダンジョンの中だしな、ダンジョンの中だろうと外だろうと見張りは大事だけどな」


「じゃあ、俺はあっちで見てるよ。神夜はこっち担当な」


「りょか、人が来てもすぐに信じるなよ。最悪すぐに戦闘入れるようにしとけよ」


「了解、なら頼んだ」


反対に歩いて行く誠、ん?あそこなんか落ちてないか?


「おーい、待て待て、なんか落ちてるぞ」


「そんなもの後で良いだろ?危ないんだから見張り先だろ」


うーん、あってる。敵を先に見つけないとかなり不利になるのは前世から知っている。気になるな〜。はぁ、見張ってよ……早く誰か起きろ、というか全員起きろ。


「ん?なんかよく見たら足跡あるな、誰か居なかったり物取られたか?誰も居なくなっては居ないな。………まさか擬態とからしてないよな?調べてみるか」


そう言って神夜は目を閉じた。理由は仲間感知が付いている服に集中する為、


そこに足跡など無い、普通の人なら分からないだろう。神夜が特別なのか、はたまたスキルによる物なのか、それはまだ分からない。


それから数時間後、全員が目を覚ました。その間にモンスターや人は現れなかった。そしてレアモンスターが落とした物は……


「世界地図?」


〈世界地図!?なんだと!?〉


「ん?違った、世界智冠?」


〈世界智冠?なんだそれは〉


お、鑑定してくれたみたいだな。


「これは世界に居る智者が何処にいるか分かるみたいだね、冠が貰える程の智者達みたいだよ。この近くに居るのは……ジャンルでいえば不死者、アンデッドの専門家みたいなものかな?名前はオルジュ・ルーベだって」


〈オルジュ・ルーベ!?ちょっ、ちょっと見せてくれ!〉


ん?なんだ、なんかあるのか?


なんか話し合ってるな……まだかな……


〈すまない、先に進むとしよう。あ、その前にLvが上がっている筈だから確認してから行こう〉


俺と誠が同時に言った。


「「なんで、全然上がって無いんだよ!」」


俺と誠はトップ3の座から落ちた。


Lvは上がってるのにステータスがそこまで上がってない……解せぬ。みんなと同じくらい上がってるのに……解せぬ。


そうして誠と目を合わせながら、溜め息を吐きながら前に進むのであった。

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