第12話 さぁ!訓練だ

お前何故刀に行かない?と皆に思われ、質問されたが結局俺は刀の方に……は行かなかった。理由が対処法を知るにはまず自分が細剣を知らないとだったので、全員納得したからだ。実は武将の時は刀しか使ってなかったが槍や二刀などの対処法は訓練でも実戦でも出来ているので問題は無い。そんな事より一番気がかりなのはメイン武器である刀がない事だ。前世ではお気に入りの刀があったからそれを使っていたが今手元に無い……。後の事は後にして今は細剣に集中しよう。細剣は剣の括りに入るから……剣の訓練場所に向かおう。


剣の訓練場所は何も無い少し広い公園の様な場所だった。外かと思う程綺麗な景色だ。目隠しで連れてこられたら誰も室内とは思わないだろう。

王城二階の右上に位置する部屋のドアを通るとこの剣の訓練場所に行ける。これはドアワープしてるのか?それともラノベによくあるダンジョンに近い部屋なのか?後で聞いてみよう。


〈まずはあそこにある屋根付き休憩所の下に置いてある模造剣を取ってくれ、重さがバラバラだから自分に合っていると思う重さを選べよ〉


剣の訓練は短い、中間、長いの訓練に別れている、そして更に種類順に……て感じだな、中間の種類は例えば細剣とか西洋剣と刀とかに別れている。俺がいるのはもちろん細剣の所だ、この世界では純細剣と言われてる。もう字から見て分かるやつも多いだろう、水って普通に言うけど純水って言う更に綺麗な水があるだろう?ちなみに純水って美味しくない。まぁ、機会があったら飲んでみると良い。まぁ、簡単に言えば全ての刀剣で1番綺麗って事らしい、俺らからするとえ?刀も綺麗じゃね?とは思うが……そこは異世界だからで終わらす。後世界で最初に出来た剣だからとか……。


「俺これー」 「私はこれかな?」 「へへへ、いいじゃねぇか、へへははは」 「詩奈はこれ〜!」


「俺はこのぐらいかな〜?」


1人だけ既におかしいやつがいるが気にしない、昨日からこんなんだ。回復魔法はかけてもらったけど効果無し、成程…知らん!って感じに全員なってる。こんなやつだったかなぁ?とりあえず病名は異世界症候群となっている。これにかかると興奮、いつもとは違う行動、いつもとは違う言動などがある。俺が選んだ細剣はまぁ重い方だとは思う、重い方がなんかいいんだよ。


〈選んだやつはちゃんと振れるな?振れないと論外だからな、なら外に出て素振りからだ。利き足を1歩前に出しながらしっかりと振れよ〉


「了解です」 「はーい」 「いっかぁい!」 「分かった〜」


「りょかです」


振ってるやついんじゃん、あいつか…。ま、いっか。


〈うーん?なかなか良いな、肩にダメージがいってないし、背筋はちゃんと伸ばしているな。強いて言うなら声を出せとは言わないが腹に力入れて振れ〉


まぁ、それはそうだろうな……。剣道部の奴とか木刀買って振ってた奴だもんな。ん?剣道部の奴ら今更腹に力入れろとか言われてんのか?そこそこ強かったと思うんだけどな?何時もよりちょっと重いとか軽いとかで慣れてないからか?


〈問題児考え事しながらとは余裕だな、ま、お前はほぼ完璧だな。完璧にするなら中途半端な強化を完璧にしないとな〉


誰が問題児だ!


「誰が問題児だ、何も起こしてないだろ」


〈姫さんが泣いてたぞ〉


え?姫さんって誰だ?もしかしてあの王女か!


「は?何故?」


俺はあいつに何かしたか?蹴った?殴った?いやいや何にもしてない。冤罪だ。


〈アホの子って言われたってそんな事言われた事無いのにって〉


嘘つけ、絶対言われてるだろ。能力は高い、心も良い、でも何処と無くアホの子だろ。


「言ってないぞそんな事、被害妄想が激しいのかな……」


確かに言ってない、口ではって付くけど。


〈へぇーま、取り敢えず訓練終わったら話があるってさ、お前の彼女3人との部屋に行くと言ってたぞ〉


ただお喋りしたいだけじゃん、俺また追い出されるのか……。


〈他の4人にアドバイスしてくるからちゃんとしとけよ〉


俺がいる場所は剣が置いてあった休憩所に近い、何をするかわかったか?取り敢えずしてみたい事がある。


「重い……?なかなかキツいな、訓練しないと!はぁあ!」


1分後……


「?……!?何してるの!?」


「「「〈ん?〉」」」


………一瞬目があったけど気にしない、俺は剣を振る。


〈剣を六本持つやつがあるか!ちゃんと素振りしてろって言ったろ!しかもお前は細剣の訓練をしに来たんだろ!何故細剣じゃない剣を持っているんだ!?〉


「これは素振り!」


細剣の訓練はちょっと休憩。俺は両手に3本ずつ、計六本の剣を持っていた。

元武将なんで……戦国ゲームしたっていいでしょ?そこに出てきたやつを真似するのは良いじゃないか。知り合いしかゲームに出てなかったし……。


〈一本で素振りしとけ!いや、違う!突きの練習しとけ!〉


解せぬ、素振りはしてる。確かに細剣の素振り(突き)ではないが、これが使えたら強いだろ?

少ししたら細剣の訓練に戻せよならりょかです!と返そう。言われなくても少ししたら細剣の訓練に戻る。少ししたら。

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