第6話 王様の話に聞き耳をたてる

王様がどうにか聞いてもらおうとしている。とりあえず聞いておこう、もし言葉に違和感があったらすぐさま場を乱さないと危ない。それに何か気になる事を言い始めた。


〈何?何故他の国が勇者召喚をしている?〉


〈我が国は世界で最も優れている国と言っても過言ではありません。他国の様に身分で差別がある訳でもなく知識面に置いても、技術面、軍事力に置いても他より優れている。人は集まり発展してきました、それが他の国からは不評なのでしょう。故に個々で力に差は有りますが一騎当千以上の勇者を求めたのでしょう〉


〈それは分かっている、魔王は居ないが魔物が多く蔓延り世界が終わろうとしている。それなのに…もしかすると魔王が召喚されたのかもしれんな。過去にもその事例があった筈だ〉


〈成程、確かにそうでした。ですがくれぐれもそうだと思わないでください、可能性は有るなくらいが丁度いいです。先の心配は完略者様達です。既に強い部類には入りますがまだLv1でしょう。しかも安全な世界からなので戦闘は全く出来ないと思います。まずステータスを表示させましょう〉


〈わかっている。歴史には魔王が居ない、しかし魔物が蔓延り過ぎた時代もあった。魔王が召喚された事もあった。可能性の一部として考える事とする。ステータス表示はすぐにするのか?完略者様達の訓練もしなくてはな、ある程度全員が出来るようになったらダンジョンで戦闘訓練を行う。では、調整を宜しく頼むぞ〉


〈了解しました。ではステータス表示の前に、そろそろ昼になるので昼食等の準備を進めます〉


うん?ステータス表示!そういえば誰もステータスオープン!とか言わなかったな、そんな場合じゃなかったからか。多分この休憩中にやったやつ絶対いるな。最低でも1人は自分のステータスを見てるだろう奴がいる。


俺戦闘出来るかぁ?鈍ってるかもしれないから訓練しておいた方がいいな。命を賭けた戦闘は前世以来だな。


あと勇者?魔王?まぁ、そこは居るかもしれない。と言う思いだけを置いておくとしよう。そうなるとこの国は少なくとも完全な悪国では無い可能性の方が高い。声を出す訳には行かないので2人にジェスチャーで帰ろうを示し部屋に戻った。


「この国は良い方ぽいな」


「そうだね(そうだな)」


「あの口振りからすると昼食前か後に話してくれるだろう。話は変わるが飯が美味いと良いな」


「ゲテモノとかないよね?」


「異世界だから分からんな、まぁ、味も何が出てくるかも御楽しみと言う事だな。そろそろ部屋が近いんじゃないか?」


ゲテモノも美味しいやつは美味しいらしいけど…見た目が…、そのな……食べる気を無くすと言うかなんというかだ。当たって、いや、食べて砕けろだな。食べて崩せの方がいいかな?体調が崩れるみたいな。ちょっと楽しみでちょっとこわ……


〈あー!やっと見つけました!〉


「ねぇ?ゆーちゃんが話聴きたいって言ったよね?昼食までに、それに少し外出てて言ったよね?もうそろそろ案内されるんだけど?」


小晴が怒ってる。2人…いや4人に救援を求めよう。まずは隣にいる川吹兄弟だ!…、……、………、居ねぇ!


部屋入ったな!あいつら!わざわざ音が出ないように気を付けて!薄情者兄弟め。後は小晴以外の2人……も怒ってるみたいだな。


俺はギルティー以外無いらしい。言い訳は?効果が無いかもな、少なくとも今は駄目だ。王女が小晴達に内緒話をしてる。


「へぇ?それで許されるとでも思ってるの?」


結局、怒られた。小晴以外の3人に。王女なんで一緒に怒ってんだよ。口パクしてきたぞ、なになに?アホの子と言ったお礼?これが口は災いの元と言う訳か……。戦国時代にもあった諺のような気がする。


待て、俺は口に出てないから悪く無いぞ?俺は悪くないぞ!なんか口癖になるかもしれない。思うだけで口では言ってないぞ!あれ?1回言いかけたかも……うーん。


俺は悪くないぞ!

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