第4話 ドジな子



「俺何も言ってないのに引きずって行くのはどうかと思う」


「王様の話聴いてなくて聴かせてくれって言ったのはゆーちゃんだよ」


「わー!お布団もふもふー!!」


「トイレも付いてる!お風呂も!なんだこれ?

うわぁー!」


バタン!ガタガタ、バシャーン!


狐子佳……早速か、何かにつまづいて転けて何かに突っ込んだんだろう。怪我しているかも知れないので小晴と2人で見に行く、妃芽はお布団に夢中のようだからな。


「大丈夫かー?おー、なかなか広い風呂だな。小さい温泉みたいな感じか。なんか現代日本のホテル?旅館の上位互換みたいな所だなこの王城」


「何してるの?狐子佳、だからもっと気を付けてって言ってるのに」


「だって急に目の前になんか出てきたんだからしょうがないでしょー。これなんだと思う?」


「………?なんもないぞ?」


「何もないわよ?」


「え?これ見えないの?こっち来て見てよ」


とりあえず近寄る

成程風呂の前が少し傾斜がついてるな。このあるか無いかの傾斜につまづいて前転?か何かして受け身とかしようとしたのかな?その前に風呂の中に落ちたみたいだけど、全身びしょ濡れ、制服が濡れて下着が見えてるな。ジト目されてるな……。


てかなんで風呂もう湧いてるんだ?誰か使う奴いるか?


「狐子佳はいつまで入ったままでいるの、出てきなさいよ」


「そうだった!制服濡れたちゃった……どうしよ……」


「取り敢えず怪我はないみたいだな、良かった。服は鞄とか一緒に転移してないから体操服とかも無いし……メイドの人とかに聴くしか無いな」


「タオルみたいなのが、あそこにあるから狐子佳を拭いてるからメイドさんに聴きに行ってくれない?ゆーちゃん」


「了解、何処いるかなー出来るだけ早くするけど期待するなよ」


「狐子佳が風邪ひいていいならどうぞ?」


「ゆーちゃん……お願い、早く聴いてきて」


「分かった、分かった、行ってきまーす」


お風呂場から出て寝室に行き、妃芽に外に行くと声をかける。

分かったと行ってお布団の柔らかさをまた堪能するみたいだ、幼女が旅行先で疲れてベッドで寝ようとしているようにしか俺には見えない。


部屋を出てメイドさんか執事の人を探してながら歩いて居ると


〈あ!貴方、やっと見つけたました〉


アホの子に捕まってしまった。メイドも執事も連れてない。王女(仮)なら従者とか連れとけよ……あ、後ろにメイドさん発見、良かった、良かった。


「すみません、ちょっと用事があるので失礼します。」


見つけましたって言いたかったんだろうな、見つけたましたってなんだ、やっぱりアホの子だ。


〈あのですね?私、実は他人の心の声を聴くとこが出来るです〉


え″?すみません、謝ります。アホの子なんて言ってごめんなさい。だから許して下さい!


〈許す?王女にそんな事言って「言ってないです。断じて言ってはいない」許…そんなよりさっきのは冗談ですよね?本当に〉


なんださっきのってアホの子って言ったや〈違います、この国壊すとか言ってましたよね?〉


「あれは冗談です。本当にいい人達ならしませんよ。クラスメイトも同じだと思いますよ」


クラスメイト達の間で問題は特に無い、いじめとかがある訳でもないし、陰キャ、陽キャとかでなんか溝があるとかでも無いし、というか皆でパーティーしたり、キャンプしたりして騒ぐからな皆陽キャかもしれん。でも、静かな時はずっと静かだからなぁ、皆陰キャなのかもしれん。まぁ、総じて皆仲がいいみたいな感じだからな。


〈それなら良かったです。アホの子って思ってたのは許しませんけどね。私はアホの子じゃ有りません!それより狐子佳?さんの事は大丈夫ですよ〉


俺はこいつを結構やばいやつと認識する事にした。こいつの結婚相手にも同情した。いるか知らんが、いるとしたら婚約者か、同情するよ隠し事が一切出来ないだろうに……可哀想……ちょっと怒ってらっしゃる……話を戻そう


「狐子佳が大丈夫とは?」


早く替えの服なりなんなりを持って行って上げないと行けない。


〈私にお任せ下さい!案内して下さい、早く行きましょう〉


この後連れていったら魔法で狐子佳の制服を乾かして、女子4人で会話し始めた。


そのせいで俺は部屋を追い出された。昼までにまだ時間あるだろうから王城の散策をしよう。次いでにアイツらも連れて行こう。

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