初依頼

冒険カードを眺めながら新しい名とランクを見て高揚する。ランクに関してはファイナリシヤと同じかな?


ランクが上がると木製が鉄製に、ブロンド、シルバー、ゴールド、プラチナに変わる。カードにはしっかりとランクが書かれ、初心者まるわかりの木製カード。

Fランク、木製

E~Cランク、鉄製

Bランク、ブロンド

Aランク、ゴールド

Sランク、プラチナ


Sになったら特別な昇級イベントがあって、それをクリアしてSSになる。クリア条件が凄すぎて諦めるプレイヤー続出だった。プラスチック感があって何でSSが透明なのって思ってたんだけど、素材が水晶竜クリスタルドラゴンだからって話があった。ゲーム画像だから分からないけど、持てば分かる設定とか無いでしょ!?SSSもそんなイベントがあり勿論ほぼ休みの私はSSSの漆黒だったよ。


嬉しげに笑ってると、ロデーが口を開く気配に睨みを効かす。


「ッ!?‥‥何でわかんだよ。」

「踏まれたくなかったら一生口閉じてて。」

「いや無理だろそれは。喋るなってのが一番酷くね?」

「喋る以外取り柄無いもんね。」

「あるわー!!!」


クレイブさんにすがり付くロデー。俺よりもこいつの方が酷くねって、口悪いより性格悪い方が嫌だろなんて丸聞こえだからね。


「ほら、図星突かれたからって気にするなよ。」

「だからあるわーー!!てかライフも乗っかってんじゃねぇ!!」


こんな皆が笑顔になるのがいいよね。ロデーをからかえば楽しい。


「おい、変な事考えてないよな?」

「ないない。ロデーじゃないし。」

「俺も考えてねぇよ!」


察しが良くなって来たロデー。気を付けようと思いながら、腕を突っつくハティルに向くと


《主様、良かったですね。》

「うん!また再スタートだけど宜しくね。」

《はい!トップランカーでもあった主が木製から始めるのはどうかと難を付けたい所ですが、楽しそうなので私は気にしない事にしました!》


なんだろうか、この敬愛っぷり。


「ありがとね。」


棒読みになっちゃったけど、背中を撫でて嬉しそうにしてるし気付いて無いだろう。


「セシリィは、これからどうするの?」


ルフィに聞かれて昼過ぎ、まだ時間はある。依頼番にも少ないけど依頼は合った。


「さすがにお金ないのは駄目だから今から依頼受けようと思ってる。」


そうルフィに伝えて、分かったとライフの所へと向かった。初依頼、わくわくが止まりません。依頼番を見に行くと、残ってるのはやっぱり面倒臭いと言われる薬草採取と逃げた猫の捜索。こういう世界でも猫っているんだね。犬に関してはいないみたいで、いるならウルフになるみたい。この世界では番犬になるのに勿体無い。どっちにしようか迷う私に、ハティルが又も腕を突っついた。


《主、我にかかれば一瞬で終わります!薬草の匂いも記憶にありますし、猫など我にかかれば直ぐ見付かりますよ。》


そう褒めて欲しそうに見てくるハティル凄いと撫でて、それなら二つ依頼受けようと二枚の紙を手に取り受付へと持って行った。


「依頼は薬草十個と、猫の捜索で宜しかったでしょうか?」

「はい。」

「えっと、今日中の依頼ですが、大丈夫ですか?」

「大丈夫です。」


なんか心配そうに見られる私。そんなに頼りない‥‥うん頼りなさそうだね。見た目子供だしと、苦笑いする私。


「分かりました。あの、依頼失敗が多い場合はブラックリストに乗り冒険者剥奪となりますのでお気をつけください。」


うん、失敗すると思ってるんですね。


「分かりました。あの、薬草はここに持って来たらいいんですよね?猫の場合は依頼者でいいんでしょうか?」

「薬草はこちらで大丈夫です。猫は依頼者のお宅の住所を書き渡しますのでそちらでお話を伺いお願いします。依頼が終わればこちらへ依頼終了の報告をお願いします。」


分かりましたと伝えて私は受付から離れると、ライフ達が来る。


「初依頼はやっぱ一人でやりたいよな。俺達も初依頼は凄く興奮したし、依頼終わった時めっちゃ疲れながらも嬉しかったし。」

「てか、お前一人で楽勝だろ。」

「なので別行動して夕方落ち合いましょう。時間はそうですね、夕の鐘が鳴る頃このギルド前でどうですか?」


クレイブさんの提案にいいよと伝えた。


「頑張って。」

「うん、頑張るね。」


そうルフィに笑って言うと、ロデーがふっと鼻で笑った。


「何?」

「いや、頑張るのはハティルであってお前ではないなと思っただけだ。」


本当に口煩い。分かってないのかな?分かって言ってるってそう言う事だよね?


「ハティル、もう噛んじゃって。死なない程度、少し痛い程度で剥ぐのは無しで。」

《やっとか!》


私の言葉に逸早く逃げ出すロデーだったが、腕から飛び下りたハティルの足に勝てる訳もなく。


「いってぇ────!!!!」


ロデーの痛み叫ぶ声が響き、ハティルはやっと噛めて満足そうに帰って来た。








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