第13話 ?聖?③
もうすぐ梅雨に入っちゃうんですね……
どうせ濡れるなら……なんでもねぇっす!
5話編成の3話目です。
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「あ、気がついた? ごめんね。ナイマが洋一の血に当てられて酔っ払って暴走しちゃたみたい。ナイマにはお仕置きしておいたから」
ナイマは後ろ手に拘束され、両足もガッチリと亀甲
俺が気を失っている間に何があったのか知らないが……知りたくもないが……いえ、教えてくれなくていいです。ところで、どこでその縛り方覚えたのですか?
「エレン、俺の血ってそんなに酔うようなものなんか⁉」
「わたしは魔法特化型じゃないからちょっとふらついた程度だけでまだ大丈夫だけどナイマは魔法特化型だから濃い洋一の
魔素汁って味噌汁みたいに人の血液を……
だから今までもナイマはたまに俺が料理してて手を切ったり、ちょっとぶつけて擦りむいたりしたときに『はぁはぁ』してたり、『消毒です』とか言って舐めてたりしていたのか……姑息だな。言ってくれりゃ舐める程度は許してやんのにな!
「で、これは外してくれないのか?」
未だに触手っぽい動きをしてる
「駄目よ? なんで洋一の服からこんな匂いがするのかちゃんと教えてもらわないと、ね?」
ね? の時の視線が怖いですけど?
エレンは俺のスーツの匂いを嗅ぎながら、疑惑の視線を向けてくる。未だ亀甲縛り状態で転がされているナイマも疑惑の視線向けてくるけど、なんかエロさ増し増しだよ?
あとさ、大事なこと忘れてんだけど。
なんで俺いつの間にかスーツも何もかも剥ぎ取られてんの? マッパでトゲトゲのついた触手にチックンされてる男には需要はないよ?
「わたしはとっても興奮していますよ?」
「うぐうぐ(コクコク)」
君たちには聞いてないよ? キミらの性癖は『俺』だもんな……俺なら何でもいいらしい。ちょっとやばいと思う。かなりやばいと思うよ?
「多分だけど、それ仕事の移動中に同僚の佐伯さん(26歳・女性・ばいんきゅっばいん)が――」
と、昼間あった佐伯さんの行動を包み隠さず二人に伝えた。なんつっても、俺、今、マッパ大全開放だしね! ははは、自分で言っていて悲しい……
「それだけ?」
それだけ。
「それだけでこんなに女の匂いを身体中に付けてくるの? これメスの匂いだよ?」
知らねえよ! なんだよメスの匂いだよって!
あん時、佐伯さん、盛ってたんかよ……いや……上目遣いで潤んだ瞳で結構身体をくっつけてきていたような気もしなくもない? あれ?
直前に見ず知らずの人が話してる風俗の話を嫌がっていたのに自分が盛っちゃうなんてありえないよね? それほど俺の魅力に当てられたって……ないわな。
だったら? う~ん?
「まあ、兎に角今回は保留にするわ。黙って浮気は許さないからね? 第三婦人、第四って増やしたいなら先ずわたし達に相談してね?」
「そうですよ、洋一様。わたくし達を一番に思っていただけるのならば、妻は何人居ても構いませんよ?」
エレンも芋虫から復帰したナイマも何いってんだか良くワカリマセン。
「妻を増やすつもりも浮気するつもりも全くないからな? 俺はお前たち二人だけが良いんだよ。それ以外など考えられんわ」
「「!!!」」
「洋一!」
「洋一様!」
バインド魔法が解かれると同時に俺は何故か服を脱ぎ捨て済みのエレンとナイマの二人に抱えられてベッドにGOしてた……明日も仕事なのに今夜もピカピカとよく光ってる。
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朝出社して佐伯さんとも挨拶を交わしたけど、ごく、普通でした。昨日みたいな親密さもエロさもこれっぽっちも感じません。
当然、周りの独身女性とやらも特に変わったことはなく、今までのように目も向けられなし人気者になっている感じは微塵も感じません……それはそれで悲しいけど、安心しました! 悲しいけど!
昨夜、なのか今朝なのか分からないし何回目かのピカってやつなのか分からないけど、ぼそっとナイマが言ったことがあった。
「あの燃やしてしまったスーツとかいう洋一の服に僅かだけど、魔力の
メスの匂いが気に入らないって言うだけで、俺のスーツは炎の魔法で消し炭化されていた……けっこう高かったのに!
「え⁉ そうなの? 燃やさなければよかったね! まあ、ちょっとおかしな感じはするけど洋一に念の為に受難避けの魔法(微弱)をナイマがかけたから大丈夫っしょ?」
佐伯さんも昨日のあの
だからどうしろと?
この世界にもあの二人以外に魔法を操れるヤツがいる?
せいじょ……もしそうだったら嫌だな。あの出張サラリーマンの言葉がリフレインする。
『ポチャ超えの肥え超え系』……怖気が走るわ!
でもナイマはエレンと自分しか時空の狭間に吸い込まれなかったって言ってたはず。
……考えても分からんものは考えるのはやめよ。
さ、仕事、仕事
その後も数日間、何度かおかしな現象は起きた。
あの時の佐伯さんだけでなく、ご近所の奥様方やスーパーの店員さんに色目を使われることが何度かあり、その度に流石に異常を感じてそそくさと退散していた。
帰宅後直ぐにナイマに魔力を補充して俺自身に異常がないかサーチをかけてもらった。
「魅了……違いますね。魅惑がかけてあります、ありました。もう消えています。覚えのある魔力紋です……あの、もう一度補充して……」
「魅惑? なにそれ……ほら、ナイマ。おいで補充補充」
魔法がかけられているってどゆこと? やっぱり二人以外に魔法を行使できるやつって……⁉ そんで今回わかったのが魔力紋てやつで指紋みたいに固有の特徴らしい。
一瞬ぼやっと考え事してたら、ナイマが唇に吸い付いてきた。
「んっ、んっ……ちゅばっ……ちゅーっ、んっ……はぁはぁはぁ。洋一様、もう少し必要です……あっ、んんっ、コリッ……ちゅ~」
「つっ、んんんん? おい! ナイマ! おま、いま俺の唇噛んで血を吸いやがったな? 痛てえじゃん?」
「必要なんです……美味しいですけど」
生血を吸われて美味しいとか感想言われると引きますよ? エレンは、さすがに生血は無理ってことなので二人で吸われることなくて少しだけ良かったですけど、代わりにエレンは違うとこ吸いまくるのでそれはそれで……
「で、覚えがあるって誰のだかわかったのか? ナイマ」
「はい……あの魔力紋は
ゾクゾクゾクゾク!!!!!!!
「せ、せい? ってまさか、聖女?」
嫌な予感が当たったのか⁉ ふくよか性女。もとい、ふくよか聖女の……えっと名前は忘れたけど……ソレだよな?
「あ、ごめんなさい。聖女じゃなくて剣聖でした。言い間違いしました……あれ? 洋一……さま? 大丈夫ですか? 冷や汗すごいですよ」
ち、ちがうんか~~い!!
「い、いや……最近『せいじょの夜伽』ってエッチな店の噂を聞いたばかりなんで、よりによって今度は二人に続いて聖女が来たのかと……」
「なに? 洋一はそーいうエッチなお店に行きたいの? わたし達ではまんぞ……」
「うん、エレン。黙っててくれるかな? また話が外れるからさ」
「うう、洋一が酷い……」
ナイマもおかしな言い間違いしないで、剣聖? の話をさっさと始めてくれんすかね?
「うん、この残滓はね、間違いなく剣聖バビのものだと思うのですよね。ただ、知っている魔力紋はもっと荒々しくて経験不足が出ていたのですが……」
魔法の魅了とは、対象が一人で対象の相手を術者に惹きつけて夢中にさせるたり幻を見せて誘惑してのめり込ませる術……俺も過去にエレンの魔法残滓如きにかかった事あるから分かるわ。
対して、魅惑の魔法は術の強度で言えば魅了よりも弱いが、対象範囲を指定することも出来るし、対象を第三者に惹きつける様に仕向けることも出来るんだと。
「それなので、それなりに細かい設定が出来ないと行使できない魔法なのですよ。経験不足のあの剣聖に出来るのかな? むむむ」
「リオちゃんも努力家だったけど、剣聖って言うだけあって剣術は比類ないけど魔法は得意では無かったし、わたしも使えない魅惑魔法は使えないと思うんだよね~」
別れ離れになって半年余り、そんなに簡単に魔法が上手になれるわけもなく、魔法を行使したのは別人じゃないかと言う結論になった。
「じゃ、誰なんだ?」
「わかんないねぇ」
「分かりませんね」
「ま、いいや。危害を受けたわけでもねえし。風呂入って寝よ」
「「はい♡」」
「あ? 今日は一回もナシだぞ⁉ お前ら昨日は調子に乗って俺は一睡もしてないんだからな? あ゛あ゛あ? わかってんのか?」
「「え……」」
あからさまに落ち込む二人。そこまで?
「洋一様……せめて一回だけはいかがでしょう?」
「そうだよ、洋一。わたしら調子に乗ったんじゃなくて洋一に乗っただけだから?」
残念勇者が何か言っているが聞こえないふりしておこう……とはいったものの――
潤んだ瞳で一人ずつ俺の腕を取りながら、たわわなブツを押し付けられるとね……例え半年以上毎日毎日何回も何回もしてたとしてもね……
「じゃ、じゃぁ、一回だけな……」
あっさり負けるのですよ⁉
「「やったー‼ 先にお風呂に入ろう‼」」
一回ずつでは終わらなったということだけは、伝えてはおこうと思う……
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洋一ぃ~ べた惚れじゃん……
くっそ! って貴方は★を3つにしてレビューを書いて憂さ晴らし!
ということで、また明日。遅刻すんなよ?
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