第11話 ?聖?①
ひと月も現代ファンタジー部門のトップ10に置いていただきありがとうございます。
本当に魔王編で終わりにしようと思っていましたが、感謝の気持ちを込めて本当に最後の続編です。
洋一の生活が安定してやさぐれなくなったので、ほんと、もうお終いです。
今回も5話編成で参りますので、ご査収ください。
では。
バレリオ*https://kakuyomu.jp/users/155/news/16817330653535425622
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もう続きはねぇと考えてたし、後は静かに三人で暮らしてこって思ってたんよ?
なあ、ソッチでキーボードをカチカチ叩いているアンタもそういったクチだろ?
……でもよ。
そうは問屋が卸さないってな。
まあ、今回は拾ったわけでも嫁が増えるわけでもないんだけどさ……いや、ある意味――ううん、考えないでおこう。
なんつーのかなぁ?
ちょっとしたトラブルって言えばいいのかな?
う~ん。アレをちょっとしたトラブルとか言っちゃう俺もナンだとは感じるけどよ!
まぁ、そういうこった。
*†*:..。..。..:*†*:..。..。..:*†*:..。..。..:*†*
エレンを拾って、さらにナイマがウチに来てから半年余りが経ち、今はもう十月も半ばを過ぎて秋の気配とやらが囁かれているらしい。今朝、電車ン中で小耳に挟んだ。気にしてなかったな、
さて、俺たちは取り立てて話すこともない、思いの外、順風満帆な日常を送ってんだ。毎日楽しいし、俺もあいつら二人も相変わらず元気だよ。もちろん夜のあっちもガッツリよ⁉
そうそう……そういや、引っ越しはしたよ。さすがにね。
前のマンションからさらに駅が遠くなったけど、郊外の一軒家を借りたんよ。戸建てっつーても古民家一歩手前の物件で家賃も然程増えなかったし、ホワイトな我が社は家賃補助なんてものまであるから無問題! 防音魔法要らずの隣家との距離最高!
…………。
………。
……。
「引っ越しか……荷物まとめて業者に頼んでってーと面倒くさいし金もかかるよな。とほ」
俺の一人暮らしにエレンがひと月前に来たぐらいでは大した荷物じゃねえと思っていたんだけど、改めて家の中にあるものを確認したら結構、物ってあるのね。オドロキ! モモノキ! 洗濯機! ぅぅ………忘れてくれ!
このままナイマの分まで増えていったら、さらに面倒くさいことになりそうだし、何よりやっぱりこのお値段ナリのベッドに三人で寝るのは辛すぎる。
「ねえ、洋一。もう一回ずついい?」
「お願いします。洋一様、もう一回ずつ……」
ナイマがうちに来た時の一件でエレンは平日三回を希望してたけど、流石に二人に差をつけるのはなんなので各々三回ずつで、一日に計六回にしたらここ最近、めっきり寝る時間がなくなった。
うちの会社もホワイトな企業とはいえ忙しいときは忙しいのでよゆーで残業はあるんですよ。もちろん法や規則内で一切の誤魔化しがないのは流石のホワイト様なんすけどね……
そんでもってよ?
残業して帰ってきて飯食って風呂入って、その間ウズウズしてる娘相手にしたら長針と短針が天辺で交差しちゃうのよな、三回ずつ終わる前にさ……言うまでもなく、当然の帰結ってやつだな……
それなんでちょっと早めにフィニッシュするとなんだか二人とも不機嫌になるんだよな……
あとな。休前日の七回ずつはもっとツライ――二人を差なく相手すると一四回よ? おかしいでしょ? ねぇ?
プロボクシングの世界戦でも一二ラウンドよ? しかもボクシングって各ラウンド三分よ? なのに! 俺が三分で終わったらこっちのラウンドガールは激怒なのよ? 別の意味でKOっすよ⁉
そんなんでね。喧々諤々の協議の結果、平日は二回ずつ。今日みたいな休前日は五回までで、その代わりにリクエストがあったら好きな魔法を最後の一回に使っていいってことになりました。なりました……。
――回数が足りないのか、俺が寝ている間に彼女らが勝手にちゅーちゅーするのは多目に見てる。実は俺とて流石に気づいてるけどさ、寝たフリしてないとどうしてもその先をおっぱじめちゃうんで……本末転倒ってね。
まあ、いいかげん気づかれてると思うけど彼女たちだけが好き者なわけじゃないんすよ。お恥ずかしい話、俺もえっちするの大好きっす‼ ……へへっ。
仕事も用事もなけりゃ枯れるまでヤッてそうなんで自粛してるんです。はい……事実シてる最中は、もう夢心地なんですよ。ワリーな、ごめんよ?
さて、もう一回ずつのボーナスステージをクリアして寝たのは空が白みかけた頃だった。そんで結局、目覚めたときは昼をとっくに過ぎた時刻。今日は不動産屋めぐりと引っ越しの算段があるっちゅーに俺ってば……
身支度を整えて駅前にある不動産屋に向かうことにするが、どうしてもついて行きたいって煩いので二人も連れて行くことになっちまった。気になる物件があったら内見もするだろうし、仕方ないかな……不安がたっぷりだけどな⁉ ホント不安。
誰だって両腕に外国人風な美女をぶら下げて歩いてりゃ不審に思うだろう? 当の本人である俺でさえ無茶苦茶思ってるんだから他人サマじゃ余計だろうな。しかもその美女二人ときたら
ボーナスステージの魔法は俺にバフ倍がけで、二人は自分自身にデバブ系魅了をかけてものすんごく俺に魅了されまくってた。あれはやばかった。二人が可愛すぎて魅了をかけられていない俺もおかしくなったしよ……
んで、それが今もちょっと二人にゃ残っている感じ。魔法はさすがに残ってないけど身体のホテリは忘れられないっつーの? 他人から見りゃただの色ボケ三バカトリオなんだろうけどな!
「どのような物件をお探しですか?」
「三人で暮らせるような、3LDK以上でお手頃な物件を探しています」
俺も他人と話すときはちゃんとしてるよ? 二七歳だもん!
「えっと……失礼ですが、お三人様はどのようなご関係で?」
え⁉ それ聞くの? まあ確かに怪しいとは思うだろうけどね!
「こっちの金黒髪が俺の妻で、こっちの銀髪がその妹ですよ? なにか問題が?」
妻二人は無理だったので、昔の
チクショウ‼ 当然ながら二回目は料金取られた! 札束すっ飛んでいったわ!!! 伝様にジト目られたのは
「そ、そうでしたか……肌の色が、いや。失礼いたしました。一応、確認は規則でしたので申し訳ございません」
肌の色とか言っちゃうと全方向から袋叩きの時代ですからね。実は
「それで、何か良さそうな物件はありますか? なるべく早めには引っ越したいのですが」
もうね。ほんとにね、ベッドが壊れそうなんですよ……
「ではこちらなど――」
四軒ほど見て回って、俺の通勤用のバス停も近いし部屋数もお家賃も手頃だったので郊外の一軒家に決めて黄昏時過ぎにやっとマンションに帰宅した。
「つ、疲れた……」
「洋一。回復、しとく?」
「エレンは魔力あんの? おまえ、明け方に全部使ったろ?」
「くっつくとジワジワ、お口にちゅ~するとスッと、あそこをちゅーちゅーするとババンと⁉ あとつなが……」
「あああ! もういいよっ⁉ えっと、お口にちゅ~で頼むわ」
普通に頼む俺も俺だとは思うよ? みなまで言うなよ⁉ わかってる。わかってるって……
「んっ、んちゅっ、ちゅっ、ちゅーちゅー、じゅるる」
「ああああ! エレン! 狡い! わたくしもシタイ!」
何を勘違いしたのかトイレから戻ってきたナイマまでちゅーちゅーじゅるじゅる始めたので……
……みなまで言うな。わかってるって! 結局、余計に疲れることしてしまったことは反省してるんだよ。ほんとだよ? さっぱりはしたけどな!
「……で洋一、引っ越しってここの荷物を全部今日借りた家に持っていけばいいんでしょ?」
「そうだけどさ、荷造りとか面倒じゃん。今は仕事も変わったばかりで入社後間もないから有給休暇はほぼないんだよな」
そうなると土日祝日しか作業できないし、休前日は二人のおねだりが我慢できなさそうだし……
「ねえ、エレン。あなたのマジックボックスって容量の空きはあるの? わたくしのはそもそも狭くって、使いもしないこの武器一本しか仕舞えないのよ……」
ナイマはそういうと空中から禍々しい漆黒の大剣を取り出した。
「なあ、ナイマ。ナニソレ? 聞いてないんですけど?」
「これですか? 代々うちの家系に伝わる魔剣ですが?」
なんなの、その『それがどうしたの? 一々聞かないでくれる⁉』みたいな態度は!
「ああ、そうなんだ……うん。わかったから、それ今直ぐ仕舞っておいてくれる? ちょっと目がチカチカ
「はい。洋一様には刺激が強すぎますかね? ちょっとだけ邪悪霊が宿っているらしいので……かくいうわたくしもこれを持つと少し意地悪な気分になりますもの」
悪霊ってちょっととかたくさんとか言うもんなの? 止めてくれるかな? ホントお化けとか怖いんで……それにオレMっ気はないからね? 多分だけど……ないよな?
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★評価とレビューお待ちしております。
では。また明日。
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