第十話_(途中③)

この国にきて四ヶ月が経った、日に日に街は暑さをましていき、外にでて一歩あるくだけでも汗が溢れる。ただ、夜はうって代わり案外寒い。ダウンをきて出ないと震えてしまう。この寒暖差にも少しは慣れてきたが、体はそうも言っていない、今年は少し夏バテを拗らせそうだ。


ここ最近私生活はうまくいっているとは言えない、その理由は簡単で、人の気持ちが前以上にわからなくなったからだろう、その原因は”言葉”。それに尽きる。

別に英語が喋れないわけじゃない、発音が絶望的に悪いわけでもない。ただ、伝わらないのだ。

それは、語彙力とかそんな、浅い問題ではなくもっとこう言葉の並びにある”核”を変えないといけないのだろう。その核は他の言葉で言い換えると、価値観とでもいうのだろうか。遥か東からきた東洋人の僕はもちろん欧州な価値観は持ち合わせてないわけで、そしてその点をあまり理解をしようとしない彼ら彼女らとはうまくいかないのだろう。


なんだろうか、あまり惹かれる人がいないという今の状況も僕の私生活を良くない方向に進めているのだろうか。それは、男女など性別の問題ではなく、何か他の人にはできないような話し方をする人、少し面白いこと考えている人、気持ちいいほど楽観的な人、みんないないのだ。


全員が全員、貰い物の言語、例文を喋っているようなきがして、なんとなく個性というものが、何倍にも何倍にも薄められている気がして、それを、その言葉たちを耳にするたび、なんだか心ここにないような気がしてならない。


夏バテと気持ち悪いほど薄められた言葉たちのダブルパンチで

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