第154話 鬼嫁とじいじ。

 我が家のじいじこと、義父。

 珍しく朝食に、ゆで卵を出してみた時のお話です。


 ゆで卵は、殻付きで出しました。

 殻を剥いて出すのが面倒くさいので、ゆでて冷ましてそのままです。


 そうしたら、ばあば(義母)が、じいじのゆで卵の殻を剥こうとするのです。

 

 驚いた私は、

「えっ? もしかして今までずっと、ゆで卵の殻を剥いてあげたんですか? お義父さんは、自分で剥いたことがないんですか?」

と、聞いてみました。


 すると、結婚してからじいじに剥かせたことがないと言うではないですか。

 なんという良妻賢母! 

 いやいやしかし、少しでも指使わんとボケてしまうと思った月猫は

「お義父さん、自分で剥いて食べてください。指の運動になります」

 と、じいじに剝かせました。


「俺だってできるよ」

 そう言って、じいじは剥き始めましたが

「……なかなか、面倒くさいもんだな」

 と呟ききます。


「その面倒くさいことを、お義母さんは何十年もしてきたんですよ」

 とたたみかける月猫は、そう、鬼嫁です(笑)


 月猫、おでんを作るときは、夫にも子どもにも卵の殻を剥いてもらっていましたが、他のご家庭では違うのかしら?


 たまに、つるんと殻が剥けなくて「あ~~~、イライラするぅ」と言いながら、でこぼこになった卵でおでんを作ったことも良い思い出です。

 (100均の卵の殻に穴を開けるやつを使うと、つるんと剥けますよね)

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