第146話 性格の悪さだけじゃないかも。

 次から次へと問題の続く月猫家。


 八月の始めぐらいに、月猫の血筋のおじさんが入院。

 原因は「変形性脊椎症」による腰痛。しかも激痛で、動けないときた。


 このおじさん、性格が悪い独身男。(おいおい、そこまで言うか私)

 近くに住む妹さんと仲たがいしています。しかし、背に腹は代えられなかったのでしょう。救急車を妹さんに頼んで呼んでもらったり、犬の世話をお願いしたりしていたのです。


 これで、二人の仲も少しは良くなったと思っていたのですが、このおじさん。

 私には、電話で病名やこれからの治療法を教えてくれたのですが、お世話になっている妹さんには一切連絡していませんでした……


 なんで?

 どうして?

 お世話になっている妹さんを差し置いて、他県に住む姪の私に連絡するのだ?


 あれほど、遠くに住む私は何もできないんだから、これを機に妹さんと仲直りしてねって念押ししたのに……


 アホなのか?

 頑固なのか?

 意味がわからんぞ。

 

 で、妹さんの話によると、お礼なんて言ってもらったことないし、治療の話も聞いてない。どのくらい入院するかも知らない。


 えー!

 いくらなんでも、人としてどうかと思うよおじさん。

 なんかよくわからんが、妹さんより私の方が腹が立つ!

 ということで、一喝しようとおじさんに電話をした月猫。

 さらなる衝撃を受けた。


「ブロック注射20日だったよね?」

「あぁ、20日か21日」

「そういう大事な話を、妹さんにもしなきゃダメでしょ」

「いいんだ。(もう一人の)北海道の妹さ、話してるもの」

「いやいやいや、そこから話が伝わってないから。ちゃんとお世話になっている妹さんにお礼を言って、話をして!」

「大丈夫だ。おれだば、みんなさありがとうって言って歩いてるよ」

 

 妹さんの話と違うなぁ…… 


「ブロック注射19日にするから、それで治れば土曜日に帰る」

「えっ?」(さっき、20日か21日って言ってたぞ)

「どうやって帰るの?」

「車を持って来てもらって運転して帰るべ」

「えっ? 運転できると思ってるの?」

「今まで運転してきたもの。運転できる」

「いやいやいや、腰痛めていて、どこまで回復できるかわからないんだよ」

「大丈夫だ。20日か21日にブロック注射して治るから」

「えっ?」(19日から、20日21日に戻った……)


 なんというか、おじさんの話が変です。

 現状では、歩行器なしで歩けない状態。

 それが、ブロック注射で日常にすぐ戻れるのでしょうか?


 年と共に、性格悪くなってるなぁと思っていたのですが、もしかしてこれは、認知症の始まり……かな?


 だとしたら、

 もしかしたら、

 高齢の妹さんだけでは手続等がままならないのでは???


 なんだか嫌な予感がする月猫なのです……


 

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