第103話 梅ちゃん道

何度もこの世に蘇ってくるモンスターのような梅ちゃんも、日に日に気弱になっていくようです。


とうとう電話で、こんなことを言いだしました。


「おら、そっちさ行って、孫とひ孫と一緒にご飯食べてぇ。おらがお金出してやっから」


こりゃ、かなり弱っているなぁと思いましたが、忙しいからとお断りさせて頂きました。我ながら酷い娘だなぁと思います。


しかしですよ、梅ちゃんは我が家に来たら多分帰りません。なんだかんだ理由をつけて、我が家に居座ると思います。梅ちゃんの考えること、わかるんです。長い付き合いですからね。


娘と次男坊に、「梅ちゃんがさぁ、今度驕るから肉でも食べに行こうって言ってたよ」と伝えたら、「行かないよー」と返事が返ってきました。


そりゃそうだ。孫たちは、お年玉も入学祝も結婚祝いも出産祝いも貰っていませんもの。それは、今まで梅ちゃんが孫に関心がなかったということでもあります。


とはいえ、梅ちゃんに冷たい自分に何だか腹が立つ。

かといって、おいでとは言えない。

どうせなら最後の最後まで「梅ちゃん道」を貫いてほしい。


「夫も親も子もいらねぇ。金さえあればいい」

それが梅ちゃんの生きる道だったはず……

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