第100話 安楽死。

 世界の中には、「安楽死」を合法化している国があるけれど、日本にはない。

 私自身は、寝たきりのまま生きながらえるより「安楽死」を選びたいと思うタイプの人間である。


 いや、人間であった。


 今、介護研修でその気持ちに揺らぎが……


 というのも、ここ数日は仰向けに寝ている人を横向きにする(体位変換)とか、車いすに移乗するとかの実技を始めたのですが、される側になったら『あれ、気持ちいいなぁ』と思ってしまったのです。


 優しくされるって、めちゃ気持ちがいいのですよ。(変な意味じゃないですよ)

 先生の体位変換は、いい香りがして安心感があって気持ちがいい(だから、変な意味じゃないですよ)のは勿論ですが、研修生同士でやっても優しさが伝わってくるのです。温もりに包まれる感じが、めちゃえぇ。


 そう、私の砂漠のような心が潤いました(笑)


 優しさって、指先からでも伝わってくるんですね。だから、物のように扱われたら、それも伝わってしまう。

 寝たきりになって他の人のお世話になるのは御免と思っていた私ですが、優しい介護士さんに会えるなら、命尽きるまでお世話になろうかしらなんて図々しいことを思ってしまいました。


 知り合いに介護士さんがおりましたら、一度体位変換の練習台になってみて下さいね。幸せ気分が味わえますよ。(重ねて言いますが、変な意味じゃないですよー)


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る