第91話 月猫、鬼嫁になる。その②

 前回からの続きです。


 21時40分頃、大学病院の救急外来に到着。

 そこで、義母の付き添いをしてくれた義母の姪っ子さんと合流しました。救急車に乗って一時間ちょっと。救急車は、凄く揺れてちょっぴり怖かったそうです。


 そして、その救急車を追いかけて来てくれた、姪っ子さんのご主人。夕方からずっと義母に付き添ってくれたお二人には、本当に申し訳ない限りです。


 23時過ぎ、姪っ子さん夫妻と私で医師の説明を聞きます。

 24時。緊急手術となりました。


 義母を見送ったあと、一旦デイルームに戻る三人。

 その時です。

 姪っ子さんのご主人、眠気と疲労がピークだったのでしょう。

「うん? 今から何するんだっけ?」

 このような同じ質問を二回ほどしてきました。

 先ほど、医師の説明を一緒に聞いていたのに……


 これは、帰りの運転が危ない! と思いましたが、幸いにも姪っ子さんの方はしっかりしています。だから大丈夫だと思うけれど、心配です。


 私の神経は、自分の眠気・腰痛・手術中の義母・自宅へ戻る親戚の心配とあちこちに張り巡らされていました。うつらうつらして、ハッと目覚める。一時間でも眠ったのかなと思うと、ものの10分。時間が止まっている……


 そのうち、姪っ子さんのご主人から無事に家に到着したとの連絡があり、一つ安心できて肩の荷が少し下りました。


 3時半ごろ手術が無事に終わり、医師の説明を聞くために手術室のある一階へと行きます。


 手術室の近くに「ご家族控室」がありました。畳部屋だと思います……


 えっとー。

 もしかして、ここで横になって手術を待つこと出来たんじゃないかな? そりゃー寝て待つのは不謹慎かもしれませんが、腰を伸ばして休みたかったよ私。(涙目)


 複雑な心境のまま医師から説明を受けて「ホルマリン漬けの腸」をみます。その後、看護師さんに義母の麻酔が切れて意識が戻ったら面会できますと言われ、またデイルームで待つこと40分程度?


 準備が整い義母の部屋に行くと、前回の術後よりも体が一回り以上小さくなった感じがしました。

 

 4時半。全てを終え、駐車場に向かいます。

 空は綺麗な水色。その下で、数台の車がポツンポツンと残っているだけです。いつも混んでいる病院の駐車場とは思えません。


 前回、暗闇の中自宅に戻ったときは運転が怖かったのですが、朝の運転は楽でした。早朝なので、車も少ないですし。


 こうして5時過ぎ、自宅に到着。

 心配しているだろうと思いつつ、義父と親戚への連絡もせず寝てしまったのでした……


 8時前、心配していた親戚からショートメールが入ります。

「手術どうでしたか? まさか、まだ手術中ってことはないですよね?」

と、慌てたショートメール。


 あっ――! 

 義弟の奥さんと子どもたちにlineで手術が終わったことを連絡してたのに、こっちに送ってなかった――。

 いや、正直に言うとあちこちに連絡するの辛いんです。一か所に連絡したら、そこから繋がっていってほしい。とはいえ、自分の子と義弟の奥さんにして、肝心の親戚にしていなかったとは、なんてアホ!


 早速親戚に電話して、お昼ごろ大学病院で合流することが決まったのでした。


             続く


 



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