第64話 梅ちゃんがご馳走を⁉

 本日、梅ちゃんに生存確認の電話をした私。


 まぁ、パチンコの話や体調の話と、いつもと変わらぬ話題が続きます。

 と、思っていたら思いがけない一言が!

「かおり(私の妹)が来たら、松から貰ったうにとあわびを食べさせてあげようと思ってるんだ」


 なんですってぇ。

 うにとあわびなんて、ご馳走じゃないの。


 うん? でもさ、松おばちゃんとは、今、交流がないよね。

(松おばちゃんにも縁を切られた梅ちゃんである)

 ということは、何年前のうにとあわびなんだろう?


 嫌な予感がした私は

「それ、何年前のうにとあわび?」

と聞いてみた。


「2,3年前だべか? 冷凍してあるから大丈夫だぁ」

(お前は、志村けんか! というツッコミは言葉にできない)


「あのさ、冷凍焼けして美味しくないから捨てれば」

という私に

「勿体ない。火を通せば菌も死ぬから大丈夫だ!」

と言う。 


 はぁ~

 梅ちゃんの記憶で2,3年前ということは、5,6年経過している可能性もあるわけで(それ以上かも)それを久しぶりに会う娘に振舞おうとするとは、梅ちゃんさすがでやんすな。


 お腹を壊しそうなご馳走の話なので、妹には連絡をしておきました。

 といっても、まだいつ帰るのか決まっていないんですけどね。


 そして、梅ちゃんの素晴らしさはこれで終わりませんでした。


「病院もさ、おらのごとば、すぐに退院させで。もう少し、体調良くなるまで入院させてくれればいいのに」

 梅ちゃん、一月の入院に対して何やらご立腹。

 二週間の入院予定が五日くらいになったけれど、それは梅ちゃんが悪い。


 なので、反論する私。

「いやいやいや。それは、お母さんが『煙草吸いたい!』って、うるさく言うからでしょう」


「はっ? おら、煙草吸いたいなんて言ってねぇよ」


 え――――――――っ、出たぁ!

 都合の悪いことは、全部忘れるという梅ちゃんの必殺技‼



 でも待てよ。

 今回のは、本当に忘れてるのかな?

 

 う~ん。

 ここまで来ると、性格なのか痴呆なのか区別がつかない……


 でも、まっ、パチンコには行っているようなので、まだまだ元気か。

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