第58話 親ガチャに外れたって大丈夫さ。
私と恵と未希は、小学校からの付き合い。
連絡を取り合うこともないけれど、なぜか縁が続いている三人組である。
私は、パチンコ依存症の母と借金を抱えアルコール依存症になった父と、なかなかの家庭環境であったが、実は他の二人も大変だった。
未希の母は、なかなかのヒステリックであったという。未希の弟は、裸で山に置き去りにされたりして、今でいう児童虐待のような感じであったと最近知った。
恵の方は、母子家庭。母親が病弱だったため、小学生時代は親戚をたらい回しにされ、中高生になると母の面倒を見ながら学校へ通っていた。今でいう、ヤングケアラーだった。
恵は、学校の給食費をよく忘れていて先生に叱られていたのだが、それは忘れたのではなくて、給食費が支払えなかったのだと最近教えてくれた。
私たち三人は、幼い頃はお互いの家庭の事情を深くは知らなかった。
でも、引きあうものがあったのだろう。
弱い者同士が集まって、肩を寄せ合って生きる。
無意識のうちに、そうなっていたんだと思う。
今思えば、三人とも他の子どもたちの幸せな会話にはついていけなかったのかもしれない。一人だけ浮いていたら、もっと辛い小学生時代を送っていたのかもしれないけれど、たまたま三人が同じ教室にいた。これは、ありがたい偶然だったかもしれない。おかげで、一人でポツンとならずにすんだのだから……
で、私たち三人とも、逞しく今を生きております(*^▽^*)
親は選べない。
でも、そんな親から学べることはある。
だから、親ガチャに外れても大丈夫。
私も恵も未希も笑って生きているから。
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