第11話 玉子を温めて。

 本日は、私ネタです。

 大したお話ではありません。


 恐らくは、読者の皆さまも体験したであろう物語。




 昔は、縁日で『ひよこ』が売られていました。

 黄色い羽根のふわふわのひよこ。

 そりゃあもう、幼い子どもの心を鷲掴みしちゃう夜店の必須アイテムです。


 でも、どケチの梅ちゃんは買ってくれません。

 (今思えば、ケチでなくても育てることが難しいので買わないですよね)


 そこで私は考えました。


 冷蔵庫から玉子を一個取り出し

「温めてひなを孵そう!」


 まずは、両手でそっと玉子を包み込みます。

 ずっとその体制でいるのは辛いので、今度はハンカチで包み机の引き出しに入れました。

 毎日毎日、玉子にヒビが入っていないか『孵化』の兆しを楽しみにチェック。


 どの位そうしていただろう?


 一週間くらいかなぁ。


 玉子にヒビが入ることはなく、私は『孵化』を諦め、その玉子をそっと冷蔵庫に戻しました。


 ……その後、その玉子は目玉焼きになったのか玉子焼きになったのか、はたまた玉子かけご飯になったのかわかりませんが、とりあえず誰もお腹を壊さなかったので良かったです。


 多分、誰か同じことしましたよね?

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