第4話:計画・エレオノール視点
「ガブリエル、貴女はどうすればいいと思いますか」
困りました、本当に困りました。
まさか本当に母上までが私の暗殺計画に加担していたなんて。
しかも妹のディアーヌだけでなく、母上まで私の婚約者と不義密通を重ねていたなんて、恥ずかし過ぎて情けなさ過ぎて顔から火が出てしまいます。
これをどう処理すればプランプター公爵家の面目を保てるのか、私が頭を抱えてしまうのも当然だと思うのです。
「できるだけ早く、噂が広まる前に、関係者全員を殺してしまいます」
ガブリエルの答えは単純明快ですね。
「その関係者の中には、冒険者ギルドや傭兵ギルドから集めて者達も含まれるの」
この点が重要な所です。
「いえ、殺し損ねた場合に最悪の事態になりかねません。
熟練歴戦の猛者は、雇い主に裏切られた場合の報復方法を用意しています。
ですがそのような方々は信義を守れば情報は墓場まで持って行ってくれます。
後金をはずめば何の問題もありません。
それでもエレオノールお嬢様が心配なのでしたら、公爵家の家臣として正式に召し抱えられれば大丈夫でございます」
ガブリエルが断言してくれるのなら大丈夫ですね。
私としても彼らを殺すのは嫌でしたから。
「ではディアーヌと母上、それにミキャエル、後は誰を殺すべきかしら」
「ミキャエルの実家、ラッセル伯爵家のモノは皆殺しにしなければいけません。
当主家族だけでなく、一族一門家臣の末席に至るまで、ことごとく殺すのです。
伯爵家の三男ごときが公爵家の婿入りを狙う以上、当主一族が総力をあげての仕事だと思われます。
さらにどの程度の重臣が相談を受けているのか軽々しく判断できません。
しかも暗殺まで考えるとなれば、失敗した場合に備えて何時でも殺せる末端の家臣を使うと思われます。
皆殺しが一番確実でございます」
果断というべきか、ガブリエルは恐ろしい事を言い切りますね。
ガブリエルも表向き沈着冷静を装ってはいますが、私の暗殺計画があると聞いて、内心激怒しているのでしょうね。
「しかし皆殺しするには多くの人手が必要になります。
秘密厳守の状況では難しいのではありませんか」
「大丈夫でございます。
エレオノールお嬢様には桁外れの魔力がございます。
大規模儀式魔法で皆殺しにする事もできますし、魔力を呪力に転換して大規模呪殺を行う事も可能でございます」
ガブリエルは平気で恐ろし事を口にしてくれます。
私がこの手で大量殺人を行うべきだと言うのですね。
確かに貴族家の争いとなれば皆殺しも覚悟しなければいけないとは学びましたが、メンタルが豆腐の私にできるかどうか。
「大丈夫でございます、エレオノールお嬢様。
大規模攻撃魔術や大規模呪殺なら人を殺した実感はありませんから」
表情一つ変えずに恐ろしい事を言ってくれますね、ガブリエル。
まあ、それは後で考えるとして、やるとなったら後は父上の事ですね。
あの役立たずのボンボン育ちをどう処分するかですね。
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