7話~めんどくさいお国事情
「……王子。どうしました。熱でもあるんじゃない?」
「失礼だなおい。せっかく心配したというのに。」
「あっはははは!いやいや、一応ありがとうございます。かな?
でも大丈夫ですよ~。私がロイヤルガードに所属しているのは王子への忠誠心ですから。」
「はいはい。ありがたいありがたい。」
「私の事は置いといて。話を戻しますけど、王子はどうなんです?
特A級管理局長官に就任して…数年?ただでさえ特A級って癖がある人たちじゃないですか。
しかも国においても重要な役職でしょ?心労ハンパなくない?」
「まぁ…とは言っても、特A級の奴らの御機嫌伺いみたいなものだしな。」
基本的な業務は事務方の役職なら普通にこなしてる程度にしか仕事してないし
「そんなもんですかね~。」
「魔術関連で話を続けるけど、リオンの技巧はどうだ?上達したか?」
「まだまだですね~。獣人と魔術って相性良くないですし、私はまぁこれ以上の大きな覚醒の可能性はないんじゃないかと思ってますね~。
それにロイヤルガードにいると間違ってもAクラス魔術とか使ったらだめですし。そもそもAクラス魔術なんて使える人なんて数えるほどしかいませんからそこを基準にされてもってとこはありますね~。」
A級使えるやつがそうゴロゴロいてたまるかってんだ
「あとは悩みはないですけど、最近の王子の男女関係のお話とか聞きたいですね。」
「あほたれ。誰よりも知ってるだろうが。誰ともそういうことはしておらんし、ウチの国は貴族制だぞ。好き勝手恋愛して結婚する事は禁止されている。」
「そりゃ結婚ってことなら簡単には許されてないですけど、いまだに恋愛にまでそんな話持ってくるのは時代錯誤甚だしいですよ。」
「うるさいな。王族って事と役職の立場もあるんだよ。」
「真面目ですねぇ…恋愛くらい好きにすればいいのに。まぁめんどくさい決まりがあるっちゃありますし、王子が火遊びするならどこか貴族のご令嬢とかじゃないとそもそもお近づきにすらなれませんもんね。」
悲しい現実であるが、王子ともなると火遊びをするのも一苦労なのだ
そんなに爵位の高くない貴族家の四男ならば自由もきいて遊びやすいんだろうけど、王族となるとハードルが高すぎて困る
あとは国のシステム的に貴族と王族の婚姻には非常に厳しい規則が設けられているのもあってめんどくさい
「それと、魔術師の管理自体も王子の役目なんですよね?そっちはどうなんです?数が半端ないと思うんですけど。」
そう。特A級管理局。正確には特別Aクラス戦略級魔術師選定管理局の役目は特A級の魔術師の管理だけじゃなく、その候補になり得る魔術師たち全ての管理を任されている
とはいえ、全ての魔術師の実力を査定しているとかいう事はない
「魔術師の管理と言っても、そんな複雑なことじゃない。魔術師として活動するためには絶対に届け出が必要だし、Cクラス以上は軍務局所属が義務だからそっちから提出される書類を精査するだけで、それは事務方がしてくれてる。
魔術師のランク査定はそれぞれ申請したら行うけど、それも軍務局所属のC以上に限られるし、それ以下は軍務局でしてくれる。
俺自身が行う業務なんてたかが知れてるさ。ハンコ押す手間が多いだけだ。」
お偉いさんなんてそんなもんだよ
最終的に責任さえとる覚悟さえあれば気楽なもんだ
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