5話~軍務局からの提案
「じゃあセバス。行ってくる。」
「よろしくね~。」
執務も終わり、リオンとのランチデートのついでに軍務局へ向かう
レキシーのアポイントは15時の予定だから、あと3時間程度は許されるか
軍務局は1時間弱で終わらせたいな
「王子。くれぐれも軍務局へ行かれるのをお忘れになりませぬ様。一応の名目はそちらですので。」
「分かっている。そう子ども扱いするなセバス。」
「それじゃ、さっさと軍務局のお仕事終わらせましょう!」
「残業はとっとと終わらせるに限るな。」
「いえ。そもそもしないに限るでしょ。」
市井の皆様に謝れ
言っても官公庁関係の建物は近い所にあるから少し歩くとあるわけで
というか目に見える範囲にあるわけで
「着きましたよ王子~。さっさと行きましょう。」
軍務局の執務室まで案内され、事務官がまっていた
軍務卿は現在王都にいないってことだが、いきなり来たこっちの事情だからそこは何も言うまい
「ラッセル王子。お忙しいところ申し訳ありません。」
「いや、こちらこそ突然悪いな。悪いついでなんだが、今日はこの後予定がある。
出来るだけ手短にしてくれると助かる。」
「私とのランチデートがあるからね。たったとよろしく。」
「ははっ。ロイヤルガードの綺麗所とのデートですか。王子も隅に置けませんな。」
さっそく説明に入ってくれるのはいいんだが、小声で避妊はしっかりとなさいませじゃないんだよ
ランチだって言ってんだろうが
「では、ご説明を。今回お持ちした案件は、特A級の方々が出撃をする必要が出た際の連絡手段についてです。」
「今は連絡用の魔法具を使っているんだったか。それを変更しようって話か?」
「いえ。連絡先の追加のご提案です。現行は特A級各位が駐在する各都市ごとに分けて構築。それぞれの連絡網ごとに独立したものとなっておりました。それを統合いたします。
よって新体制での連絡網順ですが、治安維持部隊が異常を発見し通報。
各都市の軍務局から特別Aクラス戦力級魔術師選定管理局長官。つまりラッセル王子に連絡が入ります。
同時に各都市の特A級魔術師全員に連絡、担当の特A級魔術師に緊急出撃要請がおりる形になります。」
全特A級に同じ連絡が入るわけか
今までは担当エリア以外の奴らには入らない仕組みだったが、わざわざ変える必要があるかという点だな
それに伴う費用も掛かれば、手間もかかる
「今の連絡手段ではだめなのか?」
「まず、非常時の連絡手段というものは使用頻度が低いです。
しかし、だからこそ迅速かつ正確に行われなくては致命的な失点を犯してしまうリスクがございます。
現行の連絡手段が整備されたのは約20年前。当時と比較して魔法具の技術も進歩しており、可能な距離や、数も更新されております。
そろそろ新しいものに変更なさってもよい頃合いかと。」
一理はある
非常の言葉通り、常時使用するものではないからと気にも留めていなかったな
特A級の奴ら全員に同時に報告が入る必要に関しては疑問が残るが
緊急時に後悔するのも馬鹿らしい
魔法具自体も安物ではないが、必要経費と判断しよう
「分かった。連絡手段の更新に関しては承認しよう。
詳細を詰めて改めて書面で送ってくれ。」
これ以上は事務レベルの話だな
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