4話~ずるい
毎日の御勤め。王族の身辺警護を担当するロイヤルガードである私が守護するのは第4王子であるラッセル様
私が彼の担当を熱望していたのは皆に知られている通りだけど、彼に返しきれない恩を受けた事を知っている者はいない
王子自身も私がこんなに恩義を感じているとは認識していないかもしれない
王子の執務室の前にいつもの通りたどり着き、改めて身だしなみを確認する
よし。今日もしっかりきまってる
「王子~。入りますよ~。」
「リオンか。いいぞ。」
「今日も警護致しますね~。」
今日のスケジュールはかなり余裕があるらしい
お仕事の量が少ないのはいいことです
レキシーが来るのには多少思うところがないでもないけど…
あの女は大した用事もないのに王子に会いに来ては連れ出すから迷惑なんだよね
特A級だから安全に関しては問題ないとはいえ、ずるい
私も王子とお出かけしたい
「ところで王子~?今日のお昼はお外でランチしません?」
私の誘いも少し乗り気でない反応
王子って私の見た目とか好きなくせにこういうところはガードが堅いのよね
立場が立場だし、この王国はだからこそ発展してきたってとこもあるから仕方ないのかもしれないけど
助けて。セバスチャン
セバスチャンことサイラスに救いを求める眼を向ける
サイラスはなんだかんだ王子に甘い
そしてこういう事に対して理解のある。もとい、息子の色恋沙汰を面白がる親の様な部分がある男だから何かしらの対策を講じてくれるはず
「グリフィン卿のご提案もありますし、ちょうど担当の事務官も王都に来ているとのことですので、御昼食を外で食べられるついでに王子に軍務局の方に御足労頂くという事でいかがでしょう。」
さすがはセバスチャン
いい腹案を持ってるじゃん
王子も折れてくれて、私とのランチデートに満更でもないご様子
いいんですよ王子~。もっと大喜びしても
そういうところがからかい甲斐。もといカワイイんだよね~王子
私のサムズアップにいい顔で返してくれるセバスチャン
ナイスアシストだよ
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます